【インド編】海外進出で考えたい現地法人においての昇給制度

東京コンサルティングファームの山崎です。

世界経済がグローバル化する中で、優秀な外国人を獲得し、海外のリソースを求めて
海外進出を行う企業様も増えているのではないでしょうか。特に【インド】は
GDPの順位も【7位】と今後の成長も期待ができる国です。
また【インド】における日系企業数合計は【2017年】時点で【1369社】となっています。

そんな中、【インド】進出を既にされている企業様の中にはこんな声があります。

「現地スタッフの昇給についてどうしたらよいでしょうか?」
「既存の昇給制度に不満をもった優秀な現地スタッフが転籍してしまう」

もしかしたら皆様の中にもこんなお悩みの方がいらっしゃるではないでしょうか。

そこで今回は【インド】にすでに進出されている企業様向けに、適正な昇給制度の
構築方法をご紹介できればと思います。
いかに【インド】人にモチベーション高く業務に取り組んでもらい、
いかに早くローカライズ化させた組織をつくるカギとなるのは昇給制度だからです。

1.昇給制度の前にそもそもの【インド】の企業文化を理解できていますか?

まず実際の昇給制度についてお話する前に、働いている【インド】人そして【インド】の企業文化を理解が出来ていなけらば
いけません。なぜならば当然ながら国が違えば、人が違い、文化が違い、習慣が違い、
労働に関する考えも違うからです。

日系企業は1人の人に柔軟性をもって、なるべく広い範囲の業務を見てほしいという考えから「属人主義」の思想があるなかで
【インド】の企業文化は「職能主義」と言われています。これは必要な機能を明確にした後、周辺業務を含めた詳細役割業務を完全に個人に割り振ります。
また責任範囲も明確に定めます。ですので

「この人だったらこれぐらいできるだろう」

という要素は一切含まれません。

そのため【インド】人は与えられた業務については一生懸命行いますが、
周辺業務へ対応する柔軟さは日本人に比べると欠けるところががあり、業務についてあまり報告しない傾向があります。
こうした前提が理解できていなければ、昇給制度を整えたところでモチベーションが維持できず
組織としてもうまくマネジメントができないという結果につながりますので、進出前であれば事前に
【インド】の基礎知識を理解することは重要になります。

2.昇給制度の本質とは?!

みなさまは昇給制度の目的をどうお考えでしょうか。
多くの企業様にとって昇給制度の目的は

社員の成果や努力を給与というかたちで反映させ社員の働くモチベーションを高めていく

という認識でいらっしゃるのではないでしょうか?
ずばり「正解」です。

ではさらに深く考えましょう。

昇給制度によってモチベーションが高まった社員に、
どういうことを企業様は望みますか?

これは私の考えも入りますが、「より会社の業績に貢献して欲しい
ということではないでしょうか。言い換えれば

「より顧客に価値を届けて欲しい」
「より社会に貢献して欲しい」

ということにもなります。

つまり昇給制度の本質は、単純に社員の給料をあげるためだけではなく
「顧客や社会に貢献できる社員を生み出す」ための制度であると言えるはずです。

3.どういった昇給制度が【インド】で有効なのか?

前述した通り、【インド】における企業文化は日系企業の企業文化とかなり違いがあります。
つまり今回のテーマである昇給制度についても日本の親会社で取り入れている制度と同じ
昇給制度を用いてもうまくいかないということが大いに考えられるわけです。

では具体的にどのような昇給制度が良いのでしょうか?

それは・・・

経営理念や戦略を理解した社員が自ら設定した目標を、社員自らの頑張りで達成してもらい
それを絶対評価で昇給につなげる制度です。

つまり昇給制度と人事評価が合わさった制度になります。

【インド】人が自分の部下を教育し、将来【インド】を引っ張っていく人材になるためには
周りと協力した柔軟な対応や自分の業務範囲を超えていく必要があります。
そのためにはその会社の社員としての考え方=経営理念や会社の戦略を理解してもらうことが必要です。
理解してもらうことができればまず企業文化の壁を超えることができます。
これは多くの企業様でもまずは実践していただきたいところではあります。

昇給制度の構築方法については、専門性が問われますので
残念ながら今回のブログではすべてをお話することはできません。

詳細に関して知りたい方はお問合わせいただければと思います。

ぜひみなさまの【インド】ビジネスを加速させるためにも昇給制度を
よりよく設定し、組織マネジメントに役立てていただければと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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