皆さま、こんにちは。バンガロール支店マネージャーの坂本です。
インド国内において複数拠点を持つ企業が拠点を一つに統合する場合、同じ州内における登記住所の変更と州を超える登記住所の変更では、手続き関係が大きく異なります。
同じ州内における登記住所の変更は、早くて二週間程度で完了できるのに対し、州を超える登記住所の変更については、現在の登記住所の所在する州政府から認可を受ける必要があることから、政府機関の判断によっては、最低でも2-3か月程度かかることがあります。
具体的な手続きの流れとしては、以下の通りとなります。
<州を超える登記住所変更手続きに係るスケジュール>
1.住所変更の決議に係る取締役会
2.臨時株主総会召集通知の発送
3.株主総会・債権者集会における承認手続き、各債権者からNOCの取得
4.会社登記局(ROC)に対するMGT14の申告と関連書類の提出
5.新聞への公告
6.会社法法廷(National Company Law Tribunal=NCLT)に対する申し立て
7.現在の登記住所の所在している州のChief secretaryへMGT14、NCLTへの申立書、必要書類の提出
8.定款、付属定款、臨時株主総会の招集通知、議事録、直近の監査後財務諸表、監査報告書、監査人証明、その他必要書類の提出とINC23の申告
9.政府機関(Regional director=RD、ROC、Chief secretary)に対する必要書類原本の提出
10.RDによる質疑応答
11.RDより登記住所変更に係る承認許可
各債権者に対するNOCの発行依頼については、記録郵便(registered post with acknowledgement)にて所定のフォーマットにて通知を行い、債権者は通知の受取後に、内容に相違がない旨を書面にて返送する必要があります。
また、企業の取締役の住所地が日本などインド国外にある場合、住所地の所在する国においてかなりの数のAffidavitにそれぞれ取締役の署名入りの公証・アポスティーユを受ける必要があるため、日本国内における手続きにも時間がかかることになります。
個別のご相談については、お気兼ねなくご相談いただければと思います。
東京コンサルティングファーム
坂本 佳代
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