インド人事制度のコツ⑥

法務

こんにちは。Gurgaon事務所の仁井いずみ(ニイ)です。

前回はインド人評価について触れました。今回は評価後に行うフィードバックについて書かせていただきます。

前回の通り、インド人社員の自己評価は非常に高い傾向にあります。それは「自分は頑張った」という自己基準で判断しているためです。会社基準で自己評価を正しく判断させるためには、日々の業務においてポジションに求められていることを明確に伝え続けること、もう一つは評価結果にフィードバック面談を行いお互いの認識をすり合わせること、の2つが有効といえます。

一つ目の日々伝える点については本シリーズの中で紹介した「職務分掌ディスカッション」やOJTを通して行うことが可能です。二つ目のフィードバックは成績発表と同じであり、昇給や昇格決定の時期と近いもしくは同じであるためインド人社員に真剣に考えてもらいやすい機会であるといえます。

まず自分の成績についてインド人社員の認識を確かめましょう。評価シートで自己評価がある場合には、評価者の評価と比較してもっともかい離のある項目について、自己評価が高い理由について確認することが重要です。
 
次に評価者の意見を明確に伝えます。被評価者であるインド人社員の努力を認めた上で、職務分掌でポジションの役割を示しながら、足りていない評価項目につき理由を提示し評価者の評価結果を明確に伝えます。評価の基準は社員が決める努力度合ではなく、会社基準であることを明確に示すことが重要です。ここを曖昧にすると評価者と被評価者の認識にギャップがあるままとなり、昇給や昇格に対して不満が大きくなります。

フィードバック面談では同時に社員のキャリアアップについても示すべきです。会社の求める基準を目指し、自分自身でマネジメントができるようになり、それがインドに限らず他国にまで幅を広げられるということはインド人社員にとって価値のあるものといえます。インド人は給与だけのために働くわけではありません。仕事へのやりがい、会社への忠誠心も持っています。フィードバック面談では将来像を示し、会社の目指すべき方向と社員の方向性を併せ一丸となって努力できるような連帯感を持たせることが重要です。

全6回にわたってお伝えした「インド人事のコツ」ではいくつかの人事制度をご紹介しました。各制度はバラバラに運用されるものではなく連帯感を持つ必要があります。形だけの制度では効果はあまりありません。インド人に気付きを与え成長へ導くような人事制度を構築していきましょう。

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以上

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