インド目標管理制度の効果的な運用方法⑥

こんにちは。インド人事労務コンサルタントの仁井いずみです。今週は目標管理制度運用を成功させるStep7をご紹介します。

 

【目標管理制度運用を成功させるStep】

Step1:バランススコアカード(BSC)の視点で会社目標を網羅する

Step2:各目標に対して達成度を測る指標を設ける(KPIの設定)

Step3:指標に対して今期の目標数字を決定する

Step4:決定した目標/KPI/目標数字を担当部署へ振り分ける

Step5:各部署でさらにKPIをブレークダウンできるかどうか確認しKPIを追加する

Step6:各部署のアクションプランを決定する

Step7:アクションブランの責任分担を決定する

Step8:定期的(毎月/四半期/半期など)にアクションプランをレビューする

 

<Step7:アクションブランの責任分担を決定する>

 アクションプランについて、実行者と責任者を明確にします。インドでよくあるマネジャーの2つのタイプがあります。1つは業務を部下に振り分けたまま、放っておきプラン不実行を部下の責任にする、もう1つは部署長が業務を抱え部下に振らないという個人に依存した体制です。これでは部署目標達成が危ういだけでなく、組織として脆弱になり求める品質の業務を達成することすら危うくなります。そこで、各アクションプランにたいして責任者を設けることをお勧めします。

 

 RACIチャートという責任分担表の考え方を導入します。RACI(レイシー)とは、以下の言葉の頭文字を取ったものです。

Responsible(実行責任者)

実際の作業を行う役割。複数存在することもある(チームで作業する場合)。

 

Accountable(説明責任者)

作業の完了を承認し、全体に責任を負う役割。A は常に1つとすべきである。

 

Consulted(協業先)

作業遂行に必要な情報や能力をもっている役割。双方向のやりとり(通常、R と C の間)がある。

 

Informed(報告先)

進捗と成果について報告を受ける役割。一方向のやりとり(通常、R から I へ)がある。

 

 例えば、あるアクションプラン(業務)の実行責任者はCさん(Assistant Manager)と設定した場合、Cさんはその業務の進捗について直属上司であるBさん(Manager)へ報告する義務がある、そしてその業務の責任を持つのは部署長であるAさん(Sr. Manger)、なおこの業務は他部署のDさんともかかわりを持つため相談相手はDさんとするとなります。

つまり以下のように責任分担ができます。

Responsible(R):Cさん(Assistant Manager)

Accountable(A):Aさん(Sr. Manger)

Consulted(C):Dさん(他部署)

Informed(I):Bさん(Manager)

 

これを設定することで部下へ適切に業務を振り、業務責任者明確化による責任逃れを防ぎ、他部署であってもチームワークをもって業務を進める、という流れを実現させることができます。

 

 

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