皆さん、こんにちは。
今週は先週に引き続き、インドの労務問題に触れたいと思います。
実際にインドの日系企業で起きた労働問題をご紹介し、改善案・解決策を提示したいと思います。
インドでは労働者の権利が手厚く保護されているため、労務管理と労働問題が起こるのを未然に防ぐ社内システ
ムが非常に重要です。それでは早速一例を・・・
実例)
ある日系企業C(従業員70名の製造業。常駐の日本人なし)では、インド人HRマネージャーが採用を担当し、
評価・昇格は各部門長が独断で行っていた。
共通の昇格・採用基準が設定されていなかったので、役職と求められるスキルが釣り合わない社員が増えてしま
った。その結果、マネジメント能力の低い社員が管理職に昇格し、部下に仕事を振れずに抱え込んでしまう事態
が起きた。一旦昇給させた後に降格させるのは難しいため、日本本社とHRチームが水面下で解雇を進めていた
ところ、本人の知るところとなり、他の社員にストライキの呼びかけを行った。会社側もこの動きをストライキ
決行前に察知できたので、本人と話し合い、謝罪することで解決した。
対策)
明確な役職定義表とJob Description を作成し、その内容に基づき、昇格・採用を行う。また、評価者に評価ト
レーニングを実施することで、公正な判断ができるようにする。
解説)
上司の肌感覚で昇格・採用が行われると、役職に見合わない社員が増え、効率よく組織が機能しなくなる。また、
明確なJob Descriptionがないと、業務責任範囲が不明確になり、役職に見合わない業務が行われるため、生産
性低下につながる。
本日は以上です。
Tokyo Consulting Firm Private Limited
チェンナイマネージャー
中村 匠吾(なかむら しょうご)
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