皆さま、こんにちは。
バンガロール支店マネージャーの坂本です。
今週は、GSTに関連して、インプットタックスクレジット(=ITC)仕入税額控除についてご紹介したいと思います。
皆様、経理担当をされている方でない場合、例えば、一定のモノやサービスについて、旧制度からGSTへの一本化に伴い、税率が上がればその分コストも増えると解釈されている方も少なくないのではないでしょうか。
日本の消費税を想像していただければ最もイメージして頂きやすいかと思いますが、仕入れ時に支払ったGSTは、その後、販売時に支払ったGSTと相殺する事が出来るため、納税のタイミングでは、顧客から受け取るGSTから仕入れ時に支払うGSTの差引税額を国に納税して頂く事になります。
したがって、最終の顧客がその物品やサービスに対して、GSTを負担するという仕組みになります。この相殺可能なITCとして利用できるのは、資本財以外の物品・サービスの購入に係るインプットGSTで、個人の使用目的でない仕入のみが対象となります。ただし、ITCを利用できるのは、コンポジションスキームの適用を受けない課税事業者、及びGST登録者のみとなります。
また、GSTNとよばれるポータル上にて、全ての登録事業者は、電子納税レジスターを持たなければなりませんが、相殺可能なITCは、電子貸方元帳(Electronic Credit Ledger)にて累積されていくことになります。一方、電子現金元帳(Electronic Cash Ledger)には、借方項目が累積されます。
ITCの相殺利用を行う為には、以下のような一定の要件があります。
したがって、事業のための仕入れであるからといって必ずしもITCとして利用できるわけではありませんので、注意が必要です。
<ITCとして利用するための要件>
・GSTの課税事業者であり、GST登録をしていること
・事業の用に供するために購入したモノ、若しくはサービスに係るGSTであること ※個人使用のモノは不可
・GSTの課税対象であるモノ、若しくはサービスに係るGSTであること ※リバースチャージの適用となる輸出を含む
・課税事業者が売却、合併、事業譲渡を行った場合、未使用のITCは当該合併、及び事業譲渡により存続する法人のITCとして引き継ぐ事が可能
・証憑となる書類の保管義務あり(tax invoice、debit note、supplementary invoiceなど)
・購入した物品、若しくはサービスを実際に受け取っていること
・GSTポータル上の電子貸方元帳、もしくは電子現金元帳に記入され、電子納税レジスター(Electronic Tax Liability register)から引き落とされたITCのみが対象
・GST申告を期日内に行っていること
・複数のパーツから構成される物品については、最終の物品を受け取った後にITCの利用が可能
個別のご相談がありましたら、お気兼ねなくお問い合わせ下さい。
今週は、以上です。
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バンガロール支店マネージャー
坂本 佳代(さかもと かよ)
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