皆さん、こんにちは。
インド チェンナイ駐在員の中村です。
インドでは2018年5月4日に第27回GST評議会が開催されました。
今週は評議会で話し合われた内容をまとめたいと思います。
<GST申告の簡易化>
・GSTR 1とGSTR 3Bの2種類のフォームによる現行の申告方法は6か月後に、
単一の新フォームを用いた申告方法に変更されます。
これに伴い、月勘申告回数が2回から1回に減少し、年間申告回数は24回から12回に減少します。
・GSTポータル上で、顧客は販売者からの請求書と仮払いGST額総額を確認することが出来るようになります。
・GSTポータル上に販売者の請求書がアップロードされているのにも関わらず、
販売者が顧客からの仮受けGSTを納税してない場合、ポータル上の顧客のGSTクレジット額は同額減少することになります。
・仮払いGST額のクレジット化手続きに係る時間が短縮されます。
・GST該当取引がない企業とコンポジション・ディーラー(※1)はGST申告を四半期に1度行う事になります。
<税率>
・砂糖製造業者の保護を目的とした砂糖税の導入が検討されていましたが、
他の方法も模索すべきとの意見から保留になりました。
・エタノールの税率を下げることが提案されました。
<オンライン支払いの促進>
・電子化を推進するインド政府の方策として、
オンライン支払いにある種の特典を設ける事が提案されていましたが、
次回評議会に同議題は持ち越しとなりました。
<GSTポータル保有企業の国有化>
・GSTポータル保有企業の株式を中央政府が50%保有し、残りの50%の株式は、
各州政府のGST額に応じて持株比率が算出された後に各州政府が保有することになります。
<E-Way Bill>
・E-Way Billの起票システムが機能しない時の代替方法を設計すること、
異なる州間でも単一フォーマットを使用することが決定しました。
<RCM>
・RCMの導入日が前倒しになりました。
導入当初はコンポジション・ディーラー等の特定の納税者層のみの適用とし、段階的に適用範囲を拡大する方向です。
<その他>
・不動産や所有財産移転もGSTスキームの範疇に加えられることになりました。
・仮払いGST額のクレジット化に係る規定を修正し、従業員の交通費等の業務上経費を一部クレジット化できるようになります。
・GST導入後のanti-profiteering(※2)に関して、評議会が明確な基準を発表する予定です。
※1 コンポジション・ディーラーとは簡易版GST申告方法を選択できる、
年間売上額が1,500万ルピー以下で、個人商店やレストランの零細的経営者(企業)
※2 anti-profiteeringとは、GST税制の導入によって得られた恩恵は、
販売価格の値下げ等を通して消費者や顧客に還元することを義務付けた規定になります。
現在まで明確な対象企業や還元基準、対応方法が発表されておらず、対応に困惑していた企業が多いというのが実情でした。
本日は以上です。
東京コンサルティングファーム
インド チェンナイ
中村 匠吾
※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報を基に、細心の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び弊社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Private Limitedは、一切の責任を負うことはありませんので、ご了承ください。