インドにおける資金調達に関する規制

みなさんこんにちは、本日は「インドにおける資金調達に関する規制」についてごお話したいと思います。

 

■親会社からの借入に対する規制(外国為替管理法)

インド子会社での資金調達の方法として、以下の①から④の4 つの方法があります。

[増資(資本株式の発行)]… ①

インドの子会社の資金調達の方法として、最も一般的な方法が増資(資本株式の発行)です。増資を行うためには、インド会社法の定める手続が必要です。株主総会の決議が必要となる場合がありますが、100%子会社の場合には株主総会の決議を得ることは容易ですので、特に問題はないといえます。
インド会社が100%子会社の場合、事業分野別の外国直接投資(FDI)の規制もなく、資本株式の発行による資金調達にそれほどデメリットはありません。他の方法に比べて金利の負担もありませんし、使途に制限もありませんので、資金調達としては最も良い方法といえます。

 

[ 優先株式の発行] … ②

優先株式とは、普通株式に比べ配当金を優先的に受取ることができる株式のことを言います。その代わりに株主総会での議決権がないことが多く、資金調達によく利用されます。
以前は、インド子会社は外国直接投資の規制により、優先株式の発行により調達した資金を運転資金として使用することはできませんでした。優先株式の発行は基本的に外国直接投資には該当せず、外貨借入(ECB:External Commercial Borrowing)に該当します。従来、ECB ローンの資金使途は設備資金使途に限られており、運転資金目的での利用は認められていませんでした。しかし、2 0 1 3 年9 月4日の通達によって、一定の要件をすべて満たすことで、運転資金目的での利用が認められるようになりました。一定の要件とは、以下の3つです。

・ インド国外に居住している貸付人が借入人の株式を25% 以上保有している
・ グループ会社へのまた貸しの禁止など、ECB の定める禁止事項に抵触しない
・ ECB の最低平均貸出期間の平均残存期間は7 年以上で、返済はそれ以降に行う

[ 親会社からの借入] … ③

一般に、関連会社間で運転資金を補填するための親会社からの借入
は、よく行われています。インドでもECB として親会社からの借入
を行う方法があり、具体的には以下のような規制があります。
なお、ECB について、インド準備銀行(Reserve Bank of India)
はたびたび新規制を発表しており、2019 年1 月には新たなECB の枠組みが発表され、即日施行されています。
また、引き続き、2019年7月にも、資金使途に関する規制緩和が発表されました。

資金使途制限

ECB により借入れた資金の使途は、下記に制限されています。

・産業分野の投資(資本財輸入、新規投資、設備投資など)
・インフラ関係への投資、民間化のプロセスにおける国有企業への出資
・外国直接投資(合弁会社・子会社の設立、合弁・外国企業への出資)
・ソフトウェア、ホテル、病院事業のための借入(土地購入費以外で、年間1億ドルが上限)
・インフラ開発に対する投資を目的とした、ノンバンクによる借入

2018 年4 月新たに追加でトレーニングセンター、R&D などサービス部門について外国株主からECB の適用の拡大がされました。
2019年7月の改正により、一般事業目的のインド国内での借入に対する返済を目的としたECBについては、最低平均借入期間10年を条件に認められるようになりました。
インド国内での借入の目的が設備投資である場合は、最低平均借入期間7年でECBの適用が認められております。

ECBの貸主の資格

ECB の貸主が間接保有をしている株主や、その他関連法人の場合には、上記運転資金目的による投資を行うことができず、従来どおり設備投資目的に限定されています。

ECB の借入対象業種

借入対象業種は外国直接投資を受けることができる全ての事業体とされています。
従来は製造業やソフトウェア開発業、インフラ開発企業等に限定して明記されており、商社や販売会社等の外国直接投資が制限されていない業種での利用は困難とされていました。

借入金額の上限

自動認可で受けることができる借入の限度額(年度)
・ インフラ事業および製造業を行う企業、インフラ金融向けノンバンク(NBFC-IFCs)、アセットファイナンス向けノンバンク(NBFC-AFCs)、持株会社と純粋投資会社は7 億5,000 万US ドルまたは相当額
・ ソフトウエア企業は2 億US ドルまたは相当額
・ マイクロファイナンス事業を行う企業は1 億US ドルまたは相当額・ 残りの企業は5 億US ドルまたは相当額
上限額を超過する場合
インド準備銀行からの事前認可を必要とし、外国株主からECB を受ける場合には、限度額とともに、自己資本比率に関する規制が適用されます。
ECB を自動認可で受ける場合には、外国株主に対するECB(残高および実行予定額を含む)は、当該外国株主が出資した資本金の4倍以下です。
ECB を事前認可で受ける場合には、当該規制は7 倍以下となりますが、これは500 万US ドル以下(または相当額)のECB には適用されません。
これらの限度額は、インド国外でのルピー建て債券発行制度とは別となります。

[ 海外向けルピー建て社債]

インド居住者である法人は、「マネーロンダリングに関する金融活動作業部会(FATF:Financial Action Task Force)」加盟国でルピー建て普通社債を発行できます。社債は、当該国にて私募債として発
行するか、あるいは証券取引所に上場して発行します。当該社債を発行する場合、承認取引銀行(AD Bank)経由でインド準備銀行の外国為替部門(ムンバイ)の承認を得る必要があります。海外向けルピー建て社債(Indian Rupee Denominated BondsOverseas)の発行は、企業債務への外資の総限度額2 兆4,4 3 2 億3,000 万ルピー以内でなければなりません。

[借入期間]

為替変動リスク特性によって、2019年1月より対外商業借入は下記のように分類されています。
・ 外貨建ECB … 金額に関わらず最低平均借入期間が3 年
・ インドルピー建ECB … 金額に関わらず最低平均借入期間が3 年ただし、別途規制として以下に留意する必要があります。
-製造業での5,000 万US ドル以下の金額の場合、最低平均借入期間は1 年で可能
-外国株主からの借入かつ最低平均借入期間は5 年でなければならない

[ インド国内での借入] … ④

インド国内の銀行から借入を行うことも可能です。この場合には、外国直接投資規制や外貨借入のような規制はありません。ただし、インド国内の銀行からの借入については、急激な発展によるインフレが要因となり、金利が非常に高くなるというデメリットがあります。

 

 

お読みいただきありがとうございました。
インドの詳細情報をご覧になりたい方は、下記のバナーwiki-investmentをご覧くださいませ。
インドの会計税務労務まで、最新情報を取り揃えております。

関連記事

ページ上部へ戻る