サービス税の税込み処理と税抜き処理について(実話)

税務

皆さま、こんにちは。バンガロール支店マネージャーの坂本佳代です。

 

ご存知の通り、インドは、間接税がほぼGSTに一本化され、旧制度におけるサービス税はもはや存在しません。

とはいえ、旧制度も新制度も、物やサービスの内容に応じて、インド国内で間接税が課税されるといった面では基本的な考え方は同じです。

今週は、実際にあったサービス税に関するトラブルについて、ご紹介したいと思います。

 

家賃は、基本的に「人の居住の用に供する目的で、契約上その旨を明記している」場合を除き、スペースのレンタルというサービスに対し課税される費用です。そのため、オフィスの家賃は課税の対象となりますが、旧制度においては、毎月家主側から請求書が送られてこなかったため、契約上、明記された家賃のみを毎月支払っていました。

今回、税務当局から指摘が入ったことで、契約当初からのサービス税について家主が追徴を受けることになり、テナント側に払い戻しを要求してくることとなりました。

この追徴を受けたサービス税相当額が「家賃」という勘定科目に含まれて損益計算書上、計上されていたが、この処理で本当に正しいのか、本来、サービス税は、仮払サービス税として貸借対象表上に計上すべきではないのか、といった質問を受けました。以下、解説させて頂きたいと思います。

 

日本ですと、消費税は税込方式を採用しない限り、損益計算書に計上されることはないので混乱されるかもしれませんが、インドでは、GSTが導入される前は、サービス税、物品税、VAT等、様々な種類の間接税が存在していました。また、事業内容(製造業者か、製造業者以外か)によっては、相殺控除が認められるものと、認められないものがあり、それぞれのルールに従って、申告等を行う必要がありました。今回、ご質問を受けているのは、GSTが導入される以前の経費に係るサービス税ですので、当然、当該サービス税はペナルティとしての性格が強く、またサービス事業を行っている企業でないと、そもそも相殺控除の対象にならない間接税です。また、家主側が追徴されていることから、家主が請求書を発行して企業側に払い戻しを求めている以上、企業側にとっては「預け金」ではなく、コストとなります。そのため、損益計算書に計上するのが正解です。

 

以下、簡単ですが、サービス税(現在は、GST)を税込処理にするか、税抜処理にするかまとめさせていただきます。

 

<収支に計上される間接税について>

2017年6月以前:

従来よりサービス税は、サービス事業でない事業主様(サービス事業を行う納税義務者を除く)については受取サービス税が発生しないことから相殺控除が認められず、純粋なコストとされていました。そのため、サービス税の対象となる経費については、収支の項目に含めて税込処理で計上するのが正解です。

例)弊社コンサル費用が10万INRの場合、11万5千ルピー(サービス税実行税率15%)がコンサル費用として損益計算書に計上

 

2017年7月以後:

GSTが導入されたことにより全ての業種において、支払いGSTの相殺控除が認められることになりました。

そのため、支払いGSTは受取GSTから相殺控除が認められますので、毎月のGSTは損益計算書の項目に含めず、貸借対照表にて計上するのが正解です。

例)弊社コンサル費用が10万ルピーの場合、10万ルピーがコンサル費用として収支に計上、

※GST1万8千ルピーが貸借対照表に計上

 

また、旧制度におけるC-Form未回収におけるVATの追徴課税なども同様の考え方です。税金関連だからといって必ずしも貸借対照表項目になるとは限りません。企業側のコストになるもの(日本人駐在員の会社負担TDSなど)は、基本的に、損益計算書に含めるのが正解です。

 

個別のご相談がありましたらお気兼ねなくお問い合わせください。

 

東京コンサルティングファーム

坂本 佳代

 

 

 

 

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バンガロール支店マネージャー

坂本 佳代(さかもと かよ)

TEL: +91 91484 32351 / E-MAIL: sakamoto.kayo@tokyoconsultinggroup.com

 

 

 

 

 

 

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