インドにおける移転価格文書化~Form 3CEAD, Form 3CEAC, Form 3CEAE(国別報告書)~

税務

皆様、こんにちは、Tokyo Consulting Firm Private Limited(India) の田本です。

 

本日は、インドにおける移転価格文書化シリーズ、第5回(最終回)という事で、国別報告書について説明していきます。

 

国別報告書というと、対象となる企業の閾値はかなり高く、中小企業の規模であれば、対象とならないと考えられている企業は多いのではないかと思います。

 

実際には国別報告書(Form 3CEAD)の提出が必要な企業は少ないのですが、通知フォーム(Form 3CEAC)の提出が必要な事を認識できていない企業は多いというのが実情です。

 

国別報告書についても、マスターファイルと同様に2016年の法改正によってインドでも導入されているコンプライアンス項目になります。そのため、比較的歴史が浅いという部分とインドの独自性が留意すべき点と言えます。

 

具体的フォーム名、適用条件、期日等を見ていきましょう。

 

フォーム名 適用条件 期日 参考法令
Form 3CEAD 国際グループ会社の連結売上高が550億ルピーを超える場合 3月31日

(会計年度末後 12 カ月以内)

Rule10DB(3) Sec 286(2),(4)
Form 3CEAC

(通知フォーム)

親会社がインド国外にあるインドの事業所

(インド子会社)

1月31日

(Form 3CEACの2か月前)

Rule 10DB(1),(2) & Sec 286(1)
Form 3CEAE

(代表提出者の通知フォーム)

インドに2社以上の事業所があり、国別報告書交換の合意に至らない場合、もしくは情報交換が行われない場合 未公表

(フォーム3CEAD提出期日より前であると予想される)

Rule 10DB(4) & Sec 286(4)

 

 

実務上の留意点としては、繰り返しになりますが、Form 3CEAC(通知フォーム)は日系企業のインド子会社であれば必ず必要になりますので、確実に申告を行う事が必要になります。

 

申告内容としても、通知フォームであるため、非常にシンプルであり、時間もかかりません。そのため、行っていない場合は、会計事務所に依頼する等して対応していただく形が良いと考えられます。

 

国別報告書(Form 3CEAD)については、マスターファイルのように、日本での適用基準とインドでの適用基準との間に大きな差はないため、必要な場合は通常は日本本社が準備を行う形となります。

 

以上になります。次回のブログでは、インドにおける外国法人(例:日本本社)のコンプライアンス義務について今回の移転価格の話を踏まえながら、具体的に説明していきます。

 

 

Tokyo Consulting Firm Private Limited (India)ではインドビジネスについて、より詳しい情報を弊社の日本人コンサルタント、インド人勅許会計士・弁護士・会社秘書役がお答えします。

 

是非お気軽にご連絡ください。


~▶YouTuberになりました!~

弊社YouTubeチャンネル『久野康成の毎日が有給休暇!!』を開設いたしました!

「久野康成の毎日が有給休暇!!」では、代表の久野が作った365の金言を
『久野語録』として日めくりカレンダーにまとめ、内容を毎日解説していきます。

チャンネル名にある通り、「毎日が有給休暇」になるような生き方のツボとコツを発信しておりますので
ぜひ一度ご覧頂ければと思います!

また、代表の久野が執筆した
『国際ビジネス・海外赴任で成功するための賢者からの三つの教え 今始まる、あなたのヒーロー』
の解説を、執筆者自らが行っている「賢者からの3つの教え」シリーズもぜひご覧ください!


東京コンサルティングファーム インド・デリー拠点
田本 貴稔

 

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報を基に、細心の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び弊社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Private Limited, Tokyo Consulting Firm Human Resources Private Limited)は、一切の責任を負うことはありませんので、ご了承ください。

関連記事

ページ上部へ戻る