インドに根付く精神「Jugaad」とは?

皆様 こんにちは

インドムンバイ駐在員の谷川です。皆様、お元気でお過ごしでしょうか?

 

本日はインドに根付く精神「Jugaad」についてお話したいと思います。Jugaadとは色々な意味合いがありますが、パンドランギ・シャンカル氏の「インド人コンサルタントが教えるインドビジネスのルール」には“斬新な工夫による応急処置”と表現されており、ざっくりと訳すと独創的な方法によるその場しのぎの策、物事の解決に役立ちうるあらゆる手段、また、限りある資源で打開してしまうというような創造性を意味する言葉としても使われています。

インドという環境もさながら、その精神はヒンズー教が根付いたものではないかと推測しています。インドでは見ない事のないガネーシャ神(体は人ですがなぜか頭部だけゾウのインドで最もポピュラーな神様と言えると思います)。ガネーシャの生誕はシヴァ神の妻パールヴァティーが自分の垢で人形を作った事にありました。すっかりその人形を気に入った彼女は魂を吹き込み、自分の息子にします。そして自分が入浴中の門番をするように言いつけます。そこに夫のシヴァ神が帰ってきて初対面の息子と「入れろ、入れない」の押し問答になり、ついにシヴァ神はガネーシャの首を切り落としてしまいます。後から息子だと聞かされたシヴァ神はそのあたりにいたゾウの首を切り落とし、息子の胴体につけて生き返らせた、とのこと。まさにその場しのぎで解決してしまうJugaadの考えではないでしょうか。

前置きが長くなってしまいましたが、インド人の性格についてもJugaadの考えが垣間見える時があります。オフィスのACから水が垂れてきて一向に部屋が涼しくならない、というと、修理屋がやってきてガムテープで応急処置を施し、「これで問題ない」と言う。早く対処してくれたのは良いが、あまりにもその場しのぎの策すぎて、、、結局1週間と経たないうちにまた水が垂れてきてしまい、結局新しいものに付け替える事になりました。

ただし、Jugaadの精神には今ある資源を有効活用・イノベーションといった意味合いも含まれます。最近、このJugaadの考え方が経営手段の一つとしても注目されており、有名なタタモーターズが「タタ・ナノ」という安価でインド一般消費者も手が届く脅威の車を販売したことは良い例だと言えます。今ある資源で何か新しいものを作り出す、この考えのもと、インドでさらに教育制度が整えば、インド人人財は世界で脅威的な存在になるのではないかと考えます。

 

 

今週は以上となります。

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

東京コンサルティングファーム

谷川 千裕

 

 

 

 

Tokyo Consulting Firm Private Limited

ムンバイ駐在員

谷川 千裕(たにがわ ちひろ)

TEL: +91 7678007312 / E-MAIL: tanigawa.chihiro@tokyoconsultinggroup.com

 

 

 

 

 

 

 

 

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