皆様こんにちは、カンボジア駐在員の西山です。
今回は「カンボジア税務:付加価値税」についてお話しします。
カンボジアでの税務について、給与税(Tax on Salary)、源泉徴収税(Withholding Tax)、付加価値税(Value Added Tax)、前払法人税(Prepayment of Tax on Profit)など、月次申告の対象となる主な税金をそれぞれの概要を紹介してきます。
今回は、付加価値税(Value Added Tax:VAT)の概要について紹介します。
VATは日本の消費税と同様の間接税制度になります。カンボジアでVAT事業者として登録されている納税者は、売上に対する売上VAT(Output Tax)は顧客への請求金額にVATを加算して受け取り、仕入に対する仕入VAT(Input Tax)は、仕入業者や納入業者から購入をするときにVATを加算して業者へ支払います。
VATが適用される商品やサービスは以下の通りです。
・カンボジア国内での納税者による商品やサービスの提供
・納税者による自社製品の消費
・納税者により通常提供される価格より安価又は無料で提供される商品やサービス
・カンボジア国内へ輸入される商品
また、以下の項目については、VATが賦課されません。
・公共郵便サービス
・病院等における医療サービス及び治療に関連した医薬品の販売
・公営の公共交通サービス
・保険サービス
・主要金融サービス
・教育サービス
・電力及び水道サービス
・未加工農産物
・ごみ収集事業
・関税が免除される個人使用の輸入
・非営利事業
VATの税率は通常10%となっており、すべての取引に対して適用されますが、カンボジアから輸出される商品には0%の税率が適用されます。VATの課税基準額は、通常納税者が顧客へ請求する額になります。標準価格より安価又は無料で提供される商品やサービスの場合は、公正価値が適用されます。課税基準額を決定できない場合は、税務当局により独立企業間価格を参考に課税基準額が決定されます。輸入品の課税基準額の計算は、CIF価格+関税+特定商品・サービス税(適用される場合)となります。
VAT事業者は、売上VAT(Output Tax)から仕入業者への仕入VAT(Input Tax)を差し引いた残額を、税務当局に申告・納付しなければなりません。事業者の仕入VAT(Input Tax)が売上VAT(Output Tax)を連続する3カ月間超過した場合には、税務当局にVAT還付を申請することができます。
今週は以上になります。
株式会社東京コンサルティングファーム カンボジア拠点
西山 翔太郎
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