皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。
さて、今回のテーマは「予期せぬこと」です。
ドラッカーは、ノベーションの機会は七つあるとしています。この7つの機会の中で、中で最もリスクが少なく、成功の確率が高いイノベーションが、「予期せぬ出来事」であると述べています。
予期せぬ成功が起きたとき、「そこには何が隠れているか」を問わなくてはならず、その予想以上の成功に導いた成功要因を考え、分析し、なぜ成功したかを特定しなければなりません。その検証から成功への第一歩が始まるのです。
これは何もビジネスの世界に限ったことではなく、いかにこの予期せぬことに素早く対応するかという課題は昔からありました。それに関連して近年よく話題に上がるのが、OODAモデルです。
「OODAモデル」は、軍事のOODA(Observe, Orient, Decide, Act)ループをもとに、日常の仕事でも役にたつ「これからの世界で勝ち残る発想法」として開発されたモデルです。
典型的なPDCAモデルは統制型と呼ばれ、Cのプロセスで予期せぬことを把握するのに対し、OODAモデルでは初めの時点で予期せぬことを把握します。つまり、PDCAとは比べものにならないほど早い決断ができるわけです。実際に、9.11の時にホワイトハウスではOODAでその計画を前線の部隊に実行させていました。
もちろん、PDCAよりもOODAは現場にある一定の権限を譲渡しているわけで、個人の能力も一定の基準を達成している必要があります。どちらが優れているかという議論は簡単にはできません。
しかし、今後IT化、グローバル化が進んでいく中で、競合、特に外資に対抗するためにはもっともっと素早い決断、そして実行が鍵を握ることになり、ドラッカーの言うイノベーションを高確率で達成するために日本企業はこのOODAループをもっと勉強していく必要があります。
澤柳 匠