皆さま、こんにちは。カンボジア駐在員の安藤です。
今回は、「カンボジアでの国際会計基準」についてお話ししたいと思います。
Q: 国際会計基準の導入が様々な国で行われていますが、カンボジアはどうなのか?
A: カンボジアの会計基準は、IFRSとほぼ同等のカンボジア財務報告基準(CIFRS:Cambodian International Financial Reporting Standards)が整備され、上場企業だけでなく中小企業などへも適用されています。
そもそも国際会計基準(International Financial Reporting Standards、IFRS)とは、国際財務報告基準とも呼ばれ、ロンドンを拠点とする民間団体である国際会計基準審議会(International Accounting Standards Board、IASB)が設定する会計基準のことをいいます。「世界共通の会計基準」づくりを目指して始まり、2005年にはEU域内上場企業に適用います。
歴史的には、もとはフランスの影響を受けており、1970年代はフランスの会計基準に基づいて作成されました。しかし、その後内戦が起き、カンボジア独自の会計基準は作成することができず、内戦後も会計法が制定されるものの、会計制度を用いる企業も少なく、多くの知識人が虐殺されたことで国自体が未熟でした。
カンボジアの会計基準は、会計基準設定主体である国家会計評議会(NAC)により、国際会計基準に準拠した会計基準として、2002年に15項目のカンボジア会計基準(CAS:Cambodian Accounting Standards)が公布されました。
そして2009年1月、国家会計評議会は中小企業を除くカンボジア国内で活動を行う全ての法人に対し国際会計基準の全面適用することを宣言し、国際会計基準のクメール語翻訳を進めました。
その後、国際会計基準と整合させるための改訂作業が続けられ、現在では、一部未発行の基準もありますが、国際会計基準とほぼ同等のカンボジア財務報告基準(CIFRS:Cambodian International Financial Reporting Standards)が整備されました。
現在、多くの国では国独自の会計基準に基づいており、国際会計基準の適用が進められています。しかしながら、日本や先進国では適用が進んでいない国も多く存在しています。その点で考えると、カンボジアはいち早く適用し、将来、子会社や拠点地として会計面においてやりやすい国なのではないかと考えます。
今回は以上となります。
今回も読んでいただき、誠に有難うございます。
本ブログがご活躍される駐在員の皆様、および今後進出をお考えの皆様の一助となれば幸いです。
次回もどうぞ宜しくお願い致します。
株式会社東京コンサルティングファーム カンボジア拠点
安藤 朋美
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