皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。
さて、今回のテーマは「意見の不一致」です。
前回に引き続き、今回も意見の不一致をテーマにします。
マネジメントは、意見の不一致を作らなければなりません。意見の不一致により、マネジメントの意思決定の幅が広がるのです。波風を立てないマネジメント、全会一致を好むマネジメントは、自らマネジメントの意思決定の範囲を狭めているマネジメントであると言えるでしょう。
ドラッカーは、「意見の不一致は、選択肢を与えるからである」と述べ、以下のように説明しています。
「正しい答えが一つしかない場合には、想像力は必要ない。だが、それは数学の世界だけである。・・・・不確実な問題においては、状況を変える創造的な答えが必要である。(中略)しかし想像力は、刺激しなければ隠れていて使われないままとなる。反対意見、特に理論づけられ、検討し尽くされ、かつ裏づけられている反対意見こそ、想像力にとって最も効果的な刺激剤となる」
マネジメントは、意見の不一致が見られない会議に遭遇したときには、注意しなくてはいけません。会議に参加している者全員が、同じ意見を持ち、同じ絵を見ているとは考えられないからです。
意見の出ない会議は、参加者が全員が理解し、納得し、同意していると考えてはなりません。このようにして決められた会議は、実行されることはありません。明日には忘れ去られている会議なのです。
又、合意形成が成立したと安心していていてはいけません。大きな過ちに陥ることになるでしょう。
このような会議の参加者は、頭の中で居眠りをしているか、居眠りをしないために必死に別のことを考えているか、ただひたすら終わるのを待っているいずれかの人たちであります。
澤柳 匠