
皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループカンボジア拠点の松木 祐里香です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「キャピタルゲイン課税とDTAの取扱い」についてお話していこうと思います。
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目次
【キャピタルゲイン課税とDTAの取扱いに関して】
2025年8月4日、カンボジア税務総局(GDT)は、二重課税条約(DTA:Double Taxation Agreement)に基づくキャピタルゲイン課税の実施に関するInstruction 23862を発行しています。このInstructionは、2025年7月18日付 Prakas No. 496 MEF.P を受けて発行されたもので、2018年のInstruction第4084号に基づく既存のガイダンスを補完する内容となっています。
この新Instructionは、DTAが適用される場合におけるキャピタルゲイン課税の具体的な取扱いや、納税者が課税免除または軽減を受けるための手続きについて明確に示しています。
DTA下での課税権の優先
DTAの規定は国内法に優先する(税法第191条)ことを再確認しています。 つまり、DTAによりカンボジアの課税権が制限される場合は、DTAが優先して適用されます。課税権の所在は、居住地、資産の種類、及び利益の発生場所などにより決定されます。
DTA下における課税対象資産の範囲
キャピタルゲイン課税対象は、以下の5区分に整理されています。
不動産:売主の居住地に関わらず、カンボジア国内不動産の譲渡益はカンボジアで課税。
事業用動産:カンボジアにおける恒久的施設(PE)に関連する場合、カンボジアで課税。
国際輸送資産:船舶、航空機、鉄道等の国際運航資産の譲渡益は、売主の居住国で課税。
株式・類似持分:企業資産に占めるカンボジア不動産の割合がDTAで定める閾値を下回る場合、カンボジアは課税権を持たない可能性あり。
その他資産:特段の規定がない限り、通常は居住国で課税。
DTAに基づく課税免除の申請手続き
カンボジアとDTAを締結している国の居住者は、GDTのオンラインプラットフォームを通じて課税免除申請を行うことが可能です。申請には事前承認が必要であり、既存のDTA実務手続きに沿って実施されます。
投資家・国際取引への影響
この新Instructionは、外国投資家、 多国籍企業、クロスボーダー取引を行うグループ構造にとって重要なものとなり、特に、不動産や株式譲渡など、国際的な資産取引に関して、適切なDTAの適用によりキャピタルゲイン課税を大幅に軽減または回避できる可能性があります。
今回のInstructionは、カンボジアが国際的な税務基準に沿った体制整備を進めていることを示しています。 DTAネットワークの拡大により、税務上の不確実性が軽減され、二重課税のリスクも低下することが期待できます。
以上、今週もお読み頂きありがとうございました!
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