こんにちは。
東京コンサルティングファーム・ブラジルの田村彩紀です。
今週は、ブラジルにて従業員に支払わなければならない福利厚生について記載をいたします。
質問)
従業員を雇用するにあたり、ブラジルでは様々な福利厚生を付与する必要があると聞いております。給与そのものの金額以外にも、考慮するべき福利厚生は何であるか、ならびに給与金額を基準とした場合、トータルでかかる福利厚生の割合がどのくらいであるかも教えていたいただけますでしょうか。
回答)
ご質問いただきありがとうございます。
ブラジルにて考慮するべき従業員に対する福利厚生(手当)ですが、
一般的には、以下のものが考えられます。
ただし、個々人の通勤手当や労働組合によって異なっていきますので、
参考程度にご確認いただければと存じます。
勤続年数保証基金(FGTS):給与の8%
13か月給与:給与の1か月分
有給休暇:年間30日
休暇手当:有給時に、給与の3分の1割増
社会保障(INSS):給与の約20%
有給休暇にかかる社会保障負担
13か月給与、休暇手当てにかかる社会保障
解雇時の賠償金
さて、様々な福利厚生を記載させていただきましたが、
月々支払う給与に対してどのくらい実際に福利厚生分の支払いが上乗せされるのかということですが、下記の給与のサンプルを見ていただけると幸いです。
こちらは、月々の給与の金額を100,000 とした場合になりますが、
表の一番下に記載されている数値は、163,400 つまり、63.4%上乗せされているということになります。多少福利厚生にばらつきが出ることを考慮すると、おおよそ70%は見込んでおくのが良いでしょう。
ブラジルに進出する際に、多くの企業様のイメージとして、
“人件費が日本より安い”というのがございます。
確かに、給与そのものの金額だけを見てしますと、
日本よりも安いように見えてしますのですが、
実際には今回お話をいたしました福利厚生の金額を考慮する必要が出てきますので、
一概にも安いとは言えないというのが実態となります。
また、ブラジルでは一度設定した給与や処遇を下げることはできないとされており、
従業員を雇用する際に、慎重に動いていく必要があると考えられます。
弊社では、従業員の雇用のサポートに関する様々なサービスを行っております。ご質問やご相談事項等ございましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。
お読みくださりありがとうございます。
株式会社東京コンサルティングファーム・ブラジル拠点
田村彩紀
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