ブラジルの給与明細の中身を知ろう!!

労務

こんにちは。

今週のブログですが、先週までの会計・財務に関するお話は一旦お休みし、給与明細の内訳の所得税や社会保障の金額がどう計算されているのかよく分からない、とのお声をいただいたので、給与明細の中身を知ろう!! というテーマでお伝えいたします。

 

はじめに、今回はとてもシンプルなかたちの給与構成といたします。あくまでも一例となりますが、ここでは2つほど異なる額面給与額で例をお伝えいたします。

 

額面給与額が3,000.00 BRLの場合

額面(Gross)給与額: 3,000.00 BRL

(-) 社会保障(INSS): 360.00 BRL

(-) 所得税(IR):     41.20 BRL

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手取(Net)給与額: 2,598.80 BRL

手取給与金額 / 額面給与金額:86.63%

 

額面給与額が10,000.00 BRLの場合

額面(Gross)給与額: 10,000.00 BRL

(-) 社会保障(INSS):  713.08 BRL

(-) 所得税(IR):     1,684.54 BRL

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手取(Net)給与額:  7,602.38 BRL

手取給与金額 / 額面給与金額:76.02%

 

給与構成が同じではあるものの、額面の給与金額に対しての手取りの給与金額の割合に違いが出ています。
それはなぜかというと、給与金額レンジに応じて、所得税(IR)と社会保障(INSS)が異なるからです。

まずは、所得税(IR)と社会保障(INSS)の給与レンジごとの条件をみていきましょう。

 

所得税(IR:給与レンジ毎(月額)における、適応される%と控除金額

Salary range (monthly) % deduction
Up to 1,903.98 0                    –
From 1.903,99 to 2.826,65 7.5          142.80
From 2.826,66 to 3.751,05 15.0          354.80
From 3.751,06 to 4.664,68 22.5          636.13
Above 4.664,68 27.5          869.36

https://www.fazenda.sp.gov.br/folha/nova_folha/ir.asp

 

社会保障(INSS:給与レンジ毎(月額)における、適応される%または金額

Salary range (monthly) % or amount
Up to 1,045.00 7.5%
From 1,045.01 to 2.089.60 9.0%
From 2,089.61 to 3.134.40 12.0%
From 3,134.41 to 6.101.06 14.0%
Above 6.101.06 is 713,08

https://www.inss.gov.br/servicos-do-inss/calculo-da-guia-da-previdencia-social-gps/tabela-de-contribuicao-mensal/

 

それでは実際の計算方法をみていきましょう。
黄色い箇所が実際の計算式になっています。

 

額面給与額が3,000.00 BRLの場合

額面(Gross)給与額: 3,000.00 BRL

(-) 社会保障(INSS): 360.00 BRL ← 3,000.00 * 12%

(-) 所得税(IR):     41.20 BRL ← (3,000.00 – 360.00) * 15% – 354.80

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手取(Net)給与額: 2,598.80 BRL

 

額面給与額が10,000.00 BRLの場合

額面(Gross)給与額: 10,000.00 BRL

(-) 社会保障(INSS): 713.08 BRL ← 713.08

(-) 所得税(IR):     1,684.54 BRL ← (10,000.00 – 713.08) * 27.5% – 869.36

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手取(Net)給与額: 7,602.38 BRL

 

いかがでしょうか。

これまであまりよく分からないと感じていた所得税(IR)と社会保障(INSS)いついて、理解が深まりましたら幸いです。

 

また、今回みていただきました通り、額面(Gross)の給与金額と手取(Net)の給与金額では、約15%~25%ほど金額が異なります。
そのため、採用面接の際に、希望給与を聞く際に、額面または手取りのどちらで話をしているのか、必ず候補者とすり合わせる必要があります。

多くのケースでは、雇用主である採用を行う立場としては、額面の金額でいくらと聞いているという認識でも、候補者にとっては、実際にいくらの金額を受取るか、ということが重要でとなるため、手取額で考えてしまっていることがあります。

もし、手取額の希望を言われた場合も、お伝えしました社会保障、所得の計算内容をベースに、一度試算をしていただくのが良いかと存じます。

 

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株式会社東京コンサルティングファーム・ブラジル拠点
田村彩紀

 

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