こんにちは。 東京コンサルティングファーム ブラジル駐在員の金内です。
今週はブラジル税務について記載いたします。
ブラジルでは、一般事業会社は主に2つの税金計算方法から選択することが可能です。1つはLucro Presumidoと呼ばれる方法で、もう一方はLucro Realと呼ばれる方法です。ブラジルにある多くの日本企業はLucro Realを採択しています。理由は、Presumidoの場合は、推定利益をもとに税金を計算するため、費用や赤字といった概念が無く、繰越欠損が不可となることが挙げられます。また、Presmidoにおける推定利益の計算は、政府が設定した既定の利益率を使用するため、業種によっては実態と合わない率が設定されている場合も散見されます。政府規定の利益率は、1.6% から32%で、サービス業は通常32%が適用されます。しかし、通常の事業が黒字に展開したタイミングや、新しい本社との取引を含めた海外取引等の開始によって、黒字化しやすい商流となった場合などは、一度Lucro PresumidoとLucro Realそれぞれの課税額の試算を行うことをお勧めいたします。
Lucro Presumidoの一番のメリットは、PIS/COFINSの税率が低い点です。(PIS/COFINSは弊社HPなどで貢献金としておりますが、本ブログでは税とみなし、税率と記載致します)PISは0.65%、COFINSは3%の合計3.65%であり、Lucro Realの1.65%、7.6%、合計9.25%よりも、相当低い税率が適用されます。PIS/COFINSは売上に対して課税され、計算も間接税と同様ですが、売上に関係した仕入れなどに対する仮払のみ資産とし、それ以外の支払いPIS/COFINSは費用として処理することになります。課税対象となる金額が売上であるため、少ない%の変化でも、最終的に利益に与える影響は非常に大きくなります。ブラジルの税務は、ブラジルにおける事業をより困難なものとしているのは言うまでもありません。税金に関する調査を定期的に行い、税額を抑え事業を有利に進めることができれば、経営状態も大きく改善するかもしれません。
以上
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