SPED/Bloco Kについて④

税務

 

今週はブラジル税務について記載いたします。

 

 

【質問】

どのようにBloco Kの対応を行えばよいですか?

 

【回答】

前回ブログ(SPED/Bloco Kについて③)にて説明したBloco Kに申告する個々の情報を正確に把握・計算するためには、実務上は原価計算ソフト(システム)の導入が必要不可欠です。また、原価計算ソフト(システム)を運用するにあたり、社内の体制を整える必要があります。

例えば、全ての会計業務を会計事務所に委託している場合、自社内には管理系業務全般を行う総務担当者がいて、会計業務の専任担当者が不在であるケースが多く見受けられます。原価計算およびBloco K各項目数値は、自社で算出する必要があるため、外部委託者(この場合、会計事務所など)では対応しきれない部分があります。また、税務当局によれば、Bloco Kへの申告は企業本人が行う事を推奨しています。実際のシステム運用が開始された後より、各社「どのように対応するのが最も効果的であるか」を模索することになりますが、会計・税務申告において必須となるCertificado Digital(電子認証機器)のアクセス権限分掌において、Bloco Kのみを分離可能とする可能性も示唆されています。つまり、Bloco Kへの申告はあくまで企業が対応し、その他のBlocoは業務委託先である会計事務所の会計士等が今まで通り申告を行うという体制が可能となります。

社内に会計担当者がいる場合においても、原価計算の構築や運用の対応経験が少ない人材であると、立上げと初期運用に不安が残ります。企業によっては、選任で1名採用を行う必要性が出てくるかもしれません。少なくとも、管理部門スタッフの業務分掌や各業務対応担当者の再編成を余儀なくされるかもしれません。実務・技術面での運用を考慮すると、大手システムベンダーのERPを使用するのが定石といえますが、費用面で負担が掛るため、現状の自社の体制と運用可否を考慮しながら導入を検討する必要があります。

Bloco KにおけるReceita Federalが推奨している対応ステップは以下の通りです。

  1. Block Kの要項を調査する
  2. 製造プロセスと原価算出プロセスを確認し、原価計算ベースに落とし込む(必要であればブラジル税法上の規定へ調整する)
  3. 原価計算ソフト(システム)の仕様がBloco Kの要項を満たしていることを確認する
  4. 専門家による説明とアドバイスを受け、Bloco Kの知識と理解を深める
  5. Bloco Kへの対応に向けて、関係する従業員の教育を行う
  6. 導入後の原価計算ソフト(システム)を使用してデモ運用を行い、実用可能性を確認する。
  7. 2016年1月よりBloco Kに準拠する

4回にわたり、Bloco Kについて説明してきました。実際のシステムが立ち上がり、運用が始まると、思いがけない落とし穴があるものです。まずは事前準備を行い運用が可能な状態にすること、初期運用時においては、日本からの会計担当者の出張や会計事務所と連携体制を整え、直ぐに軌道修正が行える状態としておくことが、トラブルを回避・最小化する秘訣では無いでしょうか。

 

以上

 

 

Tokyo Consulting Firm Limitada

Diretor Presidente

金内 陽

 

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