ブラジルにおけるSPEDシステム「Block K」に関して

こんにちは。
東京コンサルティングファームブラジルの濱咲克心です。
今週はブラジルにおけるSPEDシステム「Block K
に関して記載します。

■Block K概要
ブラジルには、企業の経済活動を管理する目的で導入されたSPED(Sistema Público de Escrituração Digital)というシステムがあります。SPEDは、法規(Decreto nº 6.022, de 22 de janeiro de 2007)よって採択され、政府管轄で現在までそのシステム領域を少しずつ拡大してきました。SPEDには、領域/役割に応じて異なるモジュールが存在します。例えば、公的な請求書(Nota Fiscal)を発行するモジュールであるNF-e(Nota Fiscal Eletrônica)もその一つです。Block Kは、税務を担当するモジュールであるEFD(Escrituração Fiscal Digital)を構成する「ブロック(Block)」となります。

EFDは主にICMS(商品流通税)とIPI(工業製品税)を管轄しており、その構成要素である各Blockは、当該ICMS、IPIを正しく申告するために必要な情報を要求しています。
Block Kは、大枠としては製品原価に関する情報です。現在運用中のEFDの各Block及びSPEDについては、販売における原価や売価、利益等の監視は可能ですが、製造原価の情報の妥当性・整合性は企業の裁量による所が大きいといえます。ブラジル税務当局は、Block Kを運用することによって各企業で正確な製造原価を算出し、正確な利益を測定すること、また、正確にICMS、IPIを正確に申告することを期待しています。

■対象企業
対象となる企業は、ICMSとIPIの法律(IPI Regulation – Decree第7,212 / 2010条第4条)に従って、工業化スキームに該当するプロセスを行っており、また、たとえ税率がゼロまたは免除されるとしても、ICMSとIPIが課税される製品を扱うすべての法人が対象となります。Block Kは、製品情報と密接に関連しており、仕入や最終製品などすでに登録されている情報がリアルタイムで提供されます。つまり、これによって、製造プロセスに対してより厳格な調査が可能になる為、エラーを最小にし、正しい情報を報告する必要があります。
国税局が発表したニュースによると、2018年1月1日以降、CNAE(国家経済活動分類番号)が10から32までであり、年間売上が7,800万レアル以上の法人がBlock Kに報告しなければならないとされており、2019年1月1日以降、年間売上7,800万レアル以下のCNAE10から32までと、CNAEが462から469までの企業に広げられます。なお、申告は月次で行われます。

■ブロックKに関連する罰金
•申告が遅れた場合、罰金は在庫価値の1%と、Simples Nacional企業(零細・小企業)はR $ 500、それ以外の企業はR $ 1.500が追加されます。
•誤った申告情報を送った場合、罰金は在庫価値の3%です。
•少なく納付した、または全く納付しなかった場合、脱税行為を行ったとして、納付額100%の罰金を支払わなければなりません。
•また、Nota Fiscalの発行システムが停止される可能性があります。

■SPEDのBlock Kが必要とする情報一覧
•製造された製品
•消費された原材料
•第三者によって製造された製品
•第三者によって製造された原材料
•製造に直接関係しない在庫の情報
•第三者が保有する会社の原材料
•会社が保有する第三者の原材料
•自社および第三者で製造されたすべての製品の原材料リスト

 

 

以上

濱咲克心

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