こんにちは。 東京コンサルティングファーム ブラジル駐在員の金内です。
今週はブラジル労務について記載いたします。
就業規則やHRポリシーには通常記載されない項目ですが、採用基準について定性的・定量的な基準を設け、採用の質を上げること、つまり、会社の必要とする人材と求職者が求める会社のマッチング度を上げることが、企業の安定した経営と採用コストの減少に役立ちます。
ブラジルでは、欧米の文化に近く、企業都合による解雇に際して膨大な手当を支給しても、従業員の解雇は頻繁に行われます。採用活動や人材紹介会社への紹介手数料に掛かる費用と、解雇時に支払われる手当を含めると、ミスマッチングの人材にかかる費用は相当額に上ります。これだけでも負担は大きいですが、例えば、会社の創業期、新規事業の立ち上げ期などにおけるキーマンなどは、その新規採用者が必然的に会社に対して重責を担うため、当該採用者がミスマッチングによる採用ミスであった場合、創業時の企業運営や新規事業に対するインパクトは計り知れません。従業員の解雇という点において、日本は非常に保守的であり、企業側から従業員を一方的に解雇するという決定はあまり一般的ではありません。しかし、ブラジルでは年次の法廷昇給があり、勤続年数ごとに給与が上昇する点や、日本人のような実直さと勤勉さが少なく、改善や教育の余地がない現地スタッフは、積極的に解雇する必要が出てくるのでしょう。
このような対応を事前に防ぐためにも、定性的、定量的な採用基準を明確にし、企業の経営理念、ミッション、ビジョンに共有し、企業のステージにあった、そして求める能力を持った人材を採用することをお勧めいたします。
以上
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