ブラジル就業規則(HRポリシー)の要点⑮

こんにちは。 東京コンサルティングファーム ブラジル駐在員の金内です。

今週はブラジル労務について記載いたします。

 

前回に引き続き、就業規則、HRポリシーについて記載します。

今回は、懲戒処分(AÇÕES DISCIPLINARES / DISCIPLINARY ACTION)について書いていきます。

前回ブログにおいて不祥事や業務違反に対する対応を記載しましたが、今回は実際に不祥事や業務違反を行った従業員に対する懲戒処分について解説していきます。一般的な例としては、不従順な振る舞いの度合いに応じて、会社はそのような行為に及んだ従業員に対して是正措置(民事、刑事訴訟を含む)を取ることになります。具体的なアクションとしては、警告、抑止、解雇に分類されます。あくまでも警告、抑止、解雇はそれぞれ労働法の規定と接触しないものである必要がある点に注意が必要です。

警告は、例えば当該従業員に対する注意や面談の設定、昇格の保留、臨時ボーナスの保留などを設けることが出来ます。抑止は、損害の弁償や労働法474条に基づく停職などが該当します。労働法474条においては、連続して30日を超える機関の従業員の停職は、労働契約の不当な解除とすると規定されており、停職期間については当該条文の範囲内で設定することになります。以下、サンプルとなります。

  • 停職(Suspensão) 1 (1 dias e 1 DSR)
  • 停職(Suspensão) 2 (2 dias e 2 DSR)
  • 停職(Suspensão) 3 (3 dias e 3 DSR)
  • 停職(Suspensão) 4 (4 dias e 4 DSR)
  • 停職(Suspensão) 5 (5 dias e 5 DSR)

解雇は、企業側の正当な理由による解雇と、企業都合による解雇に分類できますが、懲戒処分として企業側の正当な理由に基づく解雇とする場合は、労働法482条に規定されている各項目に則したものである必要があります。(労働法482条に基づく正当な理由による解雇については別回にて解説致します。)

当該懲戒処分の規定は、従業員への抑止効果を期待する要素がありますので、従業員と良く共有し、本条項に基づく処分の対象者がでないようにすることも、就業規則、HRポリシーの役割となります。

 

 

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