こんにちは。 東京コンサルティングファーム ブラジル駐在員の金内です。
今週はブラジル労務について記載いたします。
ブラジルのCLT(統一労働法)の規定により、10人を超える従業員がいる会社は、勤怠管理にタイムカード制を導入する必要があるとされています。
Consolidação das Leis do Trabalho (CLT)
Art. 58 –§ 2º – Para os estabelecimentos de mais de 10 trabalhadores será obrigatória a anotação da hora de entrada e saída, em registro manual, mecânico ou eletrônico, conforme instruções a serem expedidas pelo Ministério do Trabalho, devendo haver pré-assinalação do período de repouso.
10人を超える従業員を有する事業所においては、労務省の規定に従い、休憩時間の指定のある手書き、機械式または電子式の登録簿にて出勤と退勤時刻の管理を行うものとする
規定自体はごく一般的なもので、むしろ従業員を雇用した時点より、勤怠管理はタイムカードの機器、もしくはデジタル認証機器で行うのが普通です。タイムカードで勤怠管理を行う場合で問題となるのが、代理で打刻し合う従業員の存在です。当該規定の制定時(1989年改定にて追加/Redação dada pela Lei nº 7.855, de 24.10.1989)よりブラジルでも多くの企業がタイムカード機器の導入を進めた様ですが、制定当時から同じ問題はあったようです。時代が変わっても従業員の考えることは変わらず、また、企業は有効な解決策を打てていないということになります。
従業員の行動は、社風やトップマネジメントの意識、営業スタイルに影響を受けます。COSOフレームワークの内部統制の構成要素でいえば、統制環境であり、統制全ての基礎を構築する重要な要素です。勤怠管理における打刻の不正も、粉飾や横領の動機づけになる可能性が十分にあります。健全な組織風土を構築し、大小限らず不正やその動機づけとなる要素を削除していくことも、マネジメントの重要な要素ではないでしょうか。
以上
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