こんにちは。
今週は、前回に引き続きブラジルの会計の基礎についてお伝えいたします。
前々回は会計データのポルトガル語の読み方、会計データのチェックの仕方に関して、前回は、財務諸表の大枠のお話をさせていただきました。
今回は、貸借対照表 Balanço patrimonial についてもう少し詳しく見ていきましょう。
こちらは前回も活用した大手通信会社、Claroの2018年の財務諸表のデータになります。
https://claropar.com.br/wp-content/uploads/pdf/22d96268e1db3e7870539fe85ca5eecb.pdf
pp.4、pp.5を抜粋いたしました。
pp.4は、いわゆる資産の部にあたるもので、貸借対照表の左側に記載をいたします。
一方pp.5は、負債、純資産の部にあたり、貸借対照表の右側に記載されます。
前回も少しご紹介させていただきましたが、ブラジルの財務諸表においては、振番号を見ると良いでしょう。
下記、それぞれの部の振番号です。
- 資産(Ativo)1番台
- 負債(Pasivo):2.01~2.02番台
- 純資産(Patrimônio líquido):2.03番台
それでは、実際の数字を用いてみていきましょう。
- Ativo: 10,090,097,000
- Pasivo: 1,959,790,000
- Patrimônio líquido:8,130,307,000
こうしてみると、Claroは自己資本比率が高い会社と言えます。
自己資本比率はどのように計算するといいますと、
自己資本比率(%) = 自己資本 ÷ 総資本 × 100
つまり、
8,130,307,000 / 10,090,097,000 * 100 = 80.57%
この自己資本比率が高いということはどのような意味を持つか、といいますと
中長期的な安全性をもつ企業とされております。
しかしながら純資産の部分をもう少し詳細に見ると、
繰越利益剰余金(繰越損失金)の部分がマイナスになっております。
ですので、資産力はありますが、安全性があると安易に決めてしまうのは
危ないと言えます。
次回はもう少し貸借対照表の詳細をみていきます。
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株式会社東京コンサルティングファーム・ブラジル拠点
田村彩紀
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