こんにちは。
今週は、前回に引き続きブラジルの会計の基礎についてお伝えいたします。
前回、会計データのポルトガル語の読み方、会計データのチェックの仕方に関してお話をさせていただきました。
今回は、財務諸表に関して、もう少し詳細をお話しいたします。
財務諸表は、ポルトガル語でDemonstrações Financeirasと言いますが、これは、いくつかの集まりの総称です。
一般的に、財務諸表は4つ要素があります。
(これはブラジルに限らず、全世界で共通するものです。)
- 貸借対照表 Balanço patrimonial
- 損益計算書 Demonstração do resultado do exercício (DRE)
- キャッシュフロー計算書 Fluxo de Caixa (FC)
- 株主資本等変動計算書 Demonstração das mutações do patrimônio líquido (DMPL)
ブラジルの企業の中で、財務諸表を公開している企業もありますので、実際に作られているものを見ていきましょう。
こちらは、ブラジルの、大手通信会社、Claroの2018年の財務諸表のデータになります。
https://claropar.com.br/wp-content/uploads/pdf/22d96268e1db3e7870539fe85ca5eecb.pdf
はじめのページに記載されている目次を見ていただくと分かり易いのですが、pp.24までが、財務諸表と言われるものです。
その中でも二つのことなる財務諸表があり、親会社単体と子会社も含む連結データのそれぞれの財務諸表がございます。
- pp.2からpp.6 まで:親会社単体の貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書
- pp.7からpp.10まで:親会社単体の株主資本等変動計算書
- pp.11からpp.17まで:子会社含む連結の貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書
- pp.19からpp.23まで:子会社含む連結の貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書
もう少しお伝えをすると、ブラジルの財務諸表の分かり易いと感じる点は、大勘定科目、中勘定科目、小勘定科目ごとに番号が振られている点です。
(上記のデータ、pp.3 より一部抜粋)
『1 Ativo Total』が大勘定科目、そこから内訳をブレイクダウンするかたちで詳細をみていきます。
『1. 01. 08. 03.01 Créditos com partes relacionadas』、『1. 01. 08. 03.02 Outros』が最小の勘定科目となります。
なお、Ativoとは、資産を表します。
数字も含めてみていきますと、今回は流動資産(Ativo Circulante)の詳細となるため、『1.01 Ativo Circulante』以下に着目します。
流動資産は78,118,000 BRLで、
内訳が
1.01. 01 Caixa e Equivalentes de Caixa 現金および現金同等物 419,000
1.01.06.01 Tributos Correntes a Recuperar(売掛金) 32,010,000
1.01. 08 Outros Ativos Circulantes その他流動資産 45,689,000
日本の財務諸表を見慣れている方にとっては、意外と日本の財務諸表と似ているかも、と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
ブラジルの場合、言語は確かにポルトガル語ではありますが、日本の財務諸表とは全く違ったものではなく、大枠は似ていますので、会計の知識を大きな枠組みをまずは知っておくことが大事になってきます。
次回以降、また別の観点からブラジルの会計に関してお話させていただきます。
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株式会社東京コンサルティングファーム・ブラジル拠点
田村彩紀
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