ブラジル改革税制DeREとは?CBS・IBS申告の新義務を解説

皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループの袖山 大輝です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「ブラジル改革税制DeREとは?CBS・IBS申告の新義務を解説」についてお話していこうと思います。

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ブラジル改革税制DeREとは?
CBS・IBS申告の新義務を解説

皆さん、こんにちは。 東京コンサルティングファームブラジル拠点の袖山です。

「DeREって何?うちの会社は関係ある?」
ブラジルの税制改革(Reforma Tributária)が進む中、2026年6月22日にまた重要な動きが
ありました。レシタ・フェデラル(Receita Federal)とIBS管理委員会(CGIBS:Comitê
Gestor do Imposto sobre Bens e Serviços)が、新しい申告義務「DeRE(Declaração de
Regimes Específicos)」の技術文書バージョン1.1.0を正式公開したのです。
金融機関、保険会社、ヘルスプラン、コンソーシアム管理会社、宝くじ事業者など「特定制
度(Regimes Específicos)」が適用される企業は、2026年中にDeREのシステム統合対応
を開始しなければなりません。2027年1月からの本格施行に間に合わせるための技術的準備
期間は、実質的に今年のみです。
本記事では、CGIBSおよびレシタ・フェデラルの公式情報を中心に、
①DeREとは何か
②今回の正式公開の意義
③どの企業が対象か
④日系企業が今すぐ取るべきアクションの4点を解説します。

1. DeREとは何か――改革税制の「特定制度申告書」
DeREは特定業種向けのCBS・IBS申告義務書
税制改革の中核をなすのは、IBS(Imposto sobre Bens e Serviços:物品・サービス税)と
CBS(Contribuição sobre Bens e Serviços:連邦貢献税)という2つの新税です。この2税
は、これまでのICMS、ISS、PIS、COFINSなどを段階的に置き換えるものであり、2026年
がテスト年、2027年から本格課税が始まります。
一般の企業はNF-e(電子インボイス)などの既存書類にIBS・CBSを記載することで対応で
きます。しかし、一部の特定業種については、標準的な書類フォーマットでは課税ベースや
控除計算が複雑すぎるため、専用の申告書「DeRE」が設けられました。

なぜ専用申告書が必要か

特定制度(Regimes Específicos)が適用される業種では、一般の商取引とは異なる課税ロ
ジックが使われます。たとえば金融機関では、スプレッド収益や有価証券取引の扱い、保険
会社では保険料と給付金の差額課税、ヘルスプランでは医療行為に関わる課税除外項目など、

それぞれの業種特有の会計・税務処理があります。
標準的なNF-e(電子インボイス)の記載欄だけでは、これらの複雑な情報を正確に報告で
きません。そのため、業種ごとに設計された専用の申告書フォーマット(DeRE)が必要と
されているのです。
どの業種がDeRE対象か
CGIBSおよびレシタ・フェデラルの公式情報によると、DeREの対象として定義・開発中の
特定制度は以下の業種です(Receita Federal公式、2025年12月):
# 業種 ポルトガル語表記
1 金融機関 Instituições Financeiras
2 ヘルスプラン(医療保険) Planos de Assistência à Saúde
3 宝くじ・プログノーズ事業 Concurso de Prognóstico
4 コンソーシアム管理会社 Administração de Consórcio
5 保険・年金会社 Seguro e Previdência
日系企業の中でも、ブラジルで金融子会社・ヘルスケア事業・コンソーシアム業務・保険関
連事業を展開している企業は、DeREが直接関係する義務となります。

2. 2026年6月22日の正式公開――何が変わったか
技術文書v1.1.0は「設計確定版」の意味を持つ
Ato Conjunto RFB/CGIBS nº 3/2026(2026年6月22日公布・DOU掲載)により、DeREの技
術文書パッケージ バージョン1.1.0が正式に公開されました。
Minuta(草案)から正式版へ
これ以前にもv1.0.0、v1.0.1という草案版(Minuta)が公開されていましたが、あくまで「
参考情報」であり、システム開発に全面的に依拠できるものではありませんでした。今回の

v1.1.0は、従来の草案を正式に承認・確定した「公式版」であり、企業・開発者がシステム
統合作業を本格開始できる段階に入ったことを意味します。
今回のv1.1.0パッケージに含まれる内容は以下のとおりです:
● XSDスキーマ(XML Schema Definition):DeREの電子データ構造の定義ファイル
● 開発者マニュアル(Manual do Desenvolvedor):システム実装のための技術手順書
● エラーメッセージ集:送信エラーの種類と対処方法のリスト
● Receita Integra統合マニュアル(Manual de Integração Técnica):レシタ・フェデ
ラルのシステムとの接続仕様
フェーズ1・フェーズ2の進捗状況
CGIBS公式情報によると、DeREの開発は段階的に進んでいます:
フェーズ1(完了):申告書の基本構造の定義。「企業情報イベント(Informações do
Contribuinte)」「一般勘定科目表(Plano Geral de Contas Comentado)」「返答イベント
」等の基盤が確立されました。会計帳簿と税務申告の整合性を担保する枠組みが固まった段
階です。
フェーズ2(進行中):フォーマットの拡充と機能追加。現時点で仕様確定・検証・承認済
みの主なイベントには、D-9121(債券取引の借方集計返答)、D-9199(月次締め集計返答
)などが含まれています。さらに追加のイベントが順次開発・検証中です。
この「段階的・進化的」な開発アプローチは意図的なものであり、企業側もフェーズ2の完
成を待ちながら並行してシステム準備を進める必要があります。

3. 2026年のポジションと2027年への影響
2026年はテスト・ゼロ課税、2027年から本課税
重要な前提として、2026年はIBS・CBSの課税がゼロです。Ato Conjunto RFB/CGIBS nº
1/2025(2025年12月22日公布)により、2026年は全企業にとって適応テスト年と位置付け
られており、DeREを含む新申告書を正しく提出すれば、実際の税金の支払いは求められま
せん。
つまり、2026年中にDeREを提出する企業は「情報申告のみ・課税ゼロ」の状態でシステム
をテストできます。これは、2027年の本格課税に向けた「リハーサル」の機会です。
罰則なしの期間が実質的な猶予期間

政府は当初、罰則猶予期間を「規制公布後4ヶ月目の初日まで」としていますが、これはあ
くまで既存書類(NF-e等)へのIBS・CBS記載に関するもの。DeREという新申告書の観点
では、2026年中に技術統合テストを行い、2027年1月の本格開始に遅れないことが企業側の
真のデッドラインです。
日系企業でシステム対応が遅れているケースでは、ERP改修・開発期間(通常3〜6ヶ月)
を考慮すると、2026年下半期には開発着手していなければ間に合わない可能性があります。

4. 日系企業が今すぐ取るべきアクション
税制改革のDeRE対応で、現時点で優先すべきアクションは以下の3点です。
① 自社がDeRE対象かの判断  まず、自社の事業が「特定制度」(金融・保険・ヘルスプ
ラン・コンソーシアム・宝くじ)に該当するかを確認します。グループ会社・子会社含め、
各法人単位での確認が必要です。
② 技術文書v1.1.0の入手と内部レビュー  CGIBS公式ポータル(cgibs.gov.br)またはレシ
タ・フェデラルのSPEDポータルからv1.1.0パッケージをダウンロードし、社内のITチーム
またはシステムベンダーと共有します。XSDスキーマをもとにERP・基幹システムの改修
範囲を特定することが第一歩です。
③ 税務顧問・ITベンダーとの協議開始  DeREは税務知識と技術実装の両方が必要な対応
です。ブラジルの税務・会計専門家と、ERPシステムの担当ベンダーの双方を巻き込み、

2026年中のテスト申告完了を目標にプロジェクト計画を立てることを推奨します。

まとめ
2026年6月22日、ブラジル税制改革における重要なマイルストーンが達成されました。DeRE(特定制度申告書)の技術文書v1.1.0が正式公開されたことで、特定業種向けの新
申告義務の仕様が「設計確定版」として確立されました。
「うちは関係ない」と判断する前に、グループ内の全法人について特定制度該当の有無を必
ず確認してください。また、2026年はゼロ課税のテスト期間であるからこそ、今年中にシ
ステム統合のリハーサルを完了させることが、2027年の本格施行に向けた最も安全な準備
策です。
DeRE対応や税制改革のシステム準備について、具体的な方針策定・税務顧問との連携支援
など、ぜひお気軽にご相談ください。

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