施行目前!フィリピン タックス・アムネスティ適用しますか?!

こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Branchの大橋 聖也です。

【1分でわかるフィリピン進出のイロハ】
No.58< 施行目前!タックス・アムネスティ適用しますか?! >

今回は、【タックス・アムネスティ(租税特赦)の中身】をご紹介します。

日系フィリピン子会社の税務コンプライアンスチェックにあたって、今、最もホットなトピックの一つがタックス・アムネスティ(租税特赦)でしょう。
*タックス・アムネスティの概要は、過去のブログNo.51をご参照下さい。

2019年、制定目前となっているタックス・アムネスティですが、現在はBicameral Conference(両院協議委員会)を終え、現在はドゥテルテ大統領の署名を待つのみになりました。

その後は、施行規則が発布され、約15日後に効力発生した後、タックス・アムネスティを適用する企業は1年以内の申告納付が求められる見込です。

今回は、2種類ある内の一つ、Genaral Tax Amnestyの内容をお伝えします。

【対象税目】
法人税・付加価値税・源泉税・付加給付税などの国税一般

【対象期間】
2017年12月31日以前の事業年度

【申告納付期限】
施行規則の効力発生日から1年以内

【算定方法】
以下の2つから納税者は、選択可能です。

・2017年12月31日時点のSTA(Notarized Statement of Total Assets)に記載された総資産の2%
*総資産とは、フィリピン国内外、動産・不動産、無形・有形、投資用・事業用の全てを資産を含みます。
・2017年12月31日時点のSALN (Notarized Statement of Assets, Liabilities and Net worth )に記載された純資産の5%
*純資産は、総資産から総負債を差し引いた金額となります。

【適用方法】
以下、タックスアムネスティ適用の流れです。
1 STA/SALN並びにGeneral Tax Amnesty Returnの作成
2 BIR 指定のRDOにてAcceptance Payment Formを発行
3 AAB(認可代理銀行)にて全額納付
4 RDOにてCertificate of Availment of the General Tax Amnestyの発行

【STA/SALNの記載内容】
STA/SALNには、主に以下の情報を記載する必要があります。
・不動産の分類、所在地、取得価格、基準土地価格又は公正市場価値
・車や株式など動産に関する種類、数量、取得価格、公正市場価値
・現金、預金
・資産は、全てペソ表記に換算
・総負債は、法的履行義務のある無担保・担保付の各負債金額、債権者の名前や住所

以上、タックス・アムネスティの情報は随時アップデートしていきたいと思います。

まずは、現時点で税務調査を受けている、又は税務調査を受けていない事業年度を対象に、自社の税務コンプライアンスチェックを行い、潜在的に発生している租税債務コストを試算することがお勧めします。

最後に、2017年9月に弊社フィリピン本の第2版が、出版されました。
フィリピンへの進出実務を最新の情報にアップデートすると共に、弊社フィリピン拠点における6年間のコンサルティング実務の経験を盛り込んでまとめ直したものとなります。
中でも本著はフィリピンの基本的な投資環境から、設立法務、会計税務、人事労務、M&Aに至るまでフィリピンでのビジネス展開に必須な情報を網羅的に収録していますので、
是非、本屋又は弊社宛にお問合せ頂き、手に取っていただけますと幸いです。

今週もどうぞよろしくお願い致します。

 

Tokyo Consulting Firm – Philippine Branch
大橋 聖也

2012年、東京コンサルティンググループに入社。中小企業の発展、会計業界の生き残りを掛けて、社外CFOとして社長のビジョン実現をサポートする、ビジョナリーコンサルティングを立上げに奮闘。社長の抱えるお困り事解決すべく経営理念の策定・経営会議のファシリテート・財務分析等の支援を行う。2016年10月より、フィリピン支店の拠点長として世界に活躍のフィールドを拡げ、真の顧客貢献を目指す。

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。

関連記事

ページ上部へ戻る