ベトナムの会計期間と会計帳簿について

会計

 

皆さん、こんにちは。
ベトナム、ハノイの黒木でございます。
今回はベトナムの会計期間と会計帳簿についてご紹介します。

 

■会計期間
ベトナムにおける会計期間は、原則として、1月1日から12月末日までの暦年とされています。
ただし、事前に税務当局への届出を行えば、3月、6月、9月末日も決算日として認められます。実務上は、日本の親会社の会計期間と合わせるため、3月末日に変更するケースも多くなっています。
会計期間を変更する場合、法定監査および年次の法人所得税の申告期限が決算日より90日以内となるので注意が必要です。ただし、会計期間を変更した場合であっても個人所得税の確定申告は企業の会計期間とは関係がなく、申告期間は1月1日より3月31日までとなります。

 

現状、多くのベトナム企業は、12月末決算で、法定監査および法人所得税の申告期限は、3月末までとなっています。そのため、この時期に企業の監査が集中します。ベトナムは慢性的に監査法人の数が不足しており、監査法人の手が回らず、監査が間に合わなかったという話も聞きます。日本では考えられませんが、こういったことが実際に起きています。企業が決算日を12月末以外に設定する理由として、監査業務が間に合わないといったリスクを避けることも挙げられます。

 

また、会計期間は原則12カ月とされますが、設立初年度および最終年度(閉鎖時)に限っては、最大で15カ月を会計年度とすることができます。たとえば、会計年度が12月決算で2017年11月に設立が完了した企業は2017年度の法定監査および年次法人所得税の申告の必要がなく、2018年度分と合算して法定監査および法人所得税の申告を行うことになります。

 

■会計帳簿
会計法により、ベトナムにおける企業は、会計帳簿を作成し、保存する義務があります。会計帳簿とは、仕訳帳、総勘定元帳等で構成され、帳簿はベトナム語での表記が必要となります。
また、作成された会計帳簿は会計年度末から10年間、会計処理の元となった請求書や納品書、領収書といった証憑書類と一緒に保存する必要があります。
保存期間に違反がある場合や、虚偽記載があった場合には、2,000万ドン以下の過料が科されます。

 

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東京コンサルティングファーム
ベトナム ハノイ

黒木 優志

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