ベトナムのFCT(外国契約者税)とは?基本をわかりやすく解説

皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループベトナム拠点の下田琴美です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「ベトナムのFCT(外国契約者税)とは?基本をわかりやすく解説」についてお話していこうと思います。

 ベトナムでビジネスをしていると、必ずといっていいほど耳にする「FCT」。
海外送金のたびに発生するこの税金、正しく理解できていますか?
## FCTとは何か?
 FCT(Foreign Contractor Tax:外国契約者税)とは、外国の企業や個人がベトナム国内
の企業・個人にサービスを提供した際に、その対価にかかる税金です。
たとえば、日本の親会社がベトナム子会社にコンサルティングや技術支援を提供し、サー
ビス料を受け取る場合、そのサービス料にFCTが課されます。輸入関税が「モノ」の輸入
にかかるのと同様に、FCTは「サービス」の輸入にかかる税金と考えるとわかりやすいで
しょう。
## 誰が対象になるか?
対象となるのは、ベトナム国内の法人または個人との契約に基づき、ベトナム国内でサ
ービスを提供して所得を得る外国の法人・個人です。ベトナムに拠点(恒久的施設)があ
るかどうか、居住者かどうかは問いません。
ただし、以下のケースは原則としてFCT非課税となります。
・ベトナム国外で完結するサービス(例:海外での研修、海外拠点での修理)
・ベトナムに輸入する純粋な物品売買(サービスを伴わないもの)
## 税率と計算のしくみ
FCTは、VAT(付加価値税)とCIT(法人所得税)の2つで構成されています。個人の場
合はCITではなくPIT(個人所得税)が適用されます。
税率はサービスの種類によって異なり、代表的なものは以下の通りです。
サービスの種類 VAT CIT 合計目安
コンサルティング・管理サービス 5% 5% 約10%
ロイヤルティ・ライセンス料 非課税 10% 10%
利子 非課税 5% 5%
建設・設置工事 3% 2% 約5%
物品販売(付帯サービスあり) 3% 1% 約4%
税率は、FCTを含まない手取り額(Net契約 / 内税)または、FCTを含んだ総額(Gross
契約 / 外税)をベースにグロスアップ計算等を行います。 どちらを基準にするかで納税額
が変わるため、契約書の記載に注意が必要です。
※2025年7月〜2026年12月末、一般VATは景気刺激策として10%→8%に減税中。ただし
FCTのみなし税率(上表)は別制度のため、個別にご確認ください。
## 申告方式の3種類
FCTの申告方式には以下の3つがあります。
1 源泉徴収方式(最も一般的)
ベトナム側の買い手が、外国契約者への支払い時にFCT分を源泉徴収し、代わりに申告・
納税します。支払日から10日以内の納税が原則です。
2 ベトナム会計基準方式(VAS方式)
外国契約者がベトナムに恒久的施設を持ち、ベトナム会計制度を適用している場合に選択
できます。外国契約者が自ら申告・納税します。
3 ハイブリッド方式
VATはVAS方式、CITは源泉徴収方式という組み合わせです。一定の要件を満たす場合に
利用できます。
## 実務上の注意点
・契約書への明記が重要
FCTの負担者(外国契約者かベトナム法人か)を契約書に明記しておかないと、後のトラ
ブルの原因になります。外国契約者が負担する場合は「FCT込み」の金額で合意したのか
確認が必要です。
・日本・ベトナム租税条約との関係
日本法人がベトナムに恒久的施設を持たない場合、租税条約上はCIT部分がベトナムで課
税されないはずです。しかし実務上、ベトナム国内法が優先されて課税されるケースが多
く、日本で外国税額控除が受けられず二重課税となるリスクがあります。
・送金がなくても課税される場合がある
取引スキームによっては、実際の海外送金を伴わなくてもFCTの課税対象となることがあ
ります。取引設計の段階で専門家に確認することをお勧めします。
## まとめ
FCTはベトナム特有の税制であり、グループ間取引や外部委託が多い企業ほど影響を受
けやすい税金です。まずは「どの取引がFCTの対象か」を正確に把握し、申告漏れや二重
課税を防ぐための社内フローを整えることが重要です。
税率や申告要件は契約内容によって異なるため、個別の取引については現地の税務専門家
への相談を強くお勧めします。

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