皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループベトナム拠点の清水信太 です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「【2026年最新動向】ベトナム駐在員の給与は現地法人から支払
える?社内異動者の給与負担・WP・社会保険リスクを解説」についてお話していこうと思います。
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【2026年最新動向】ベトナム駐在員の給与は現地法人から支払
える?社内異動者の給与負担・WP・社会保険リスクを解説
ベトナムに進出する日系企業では、日本親会社からベトナム現地法人へ派遣される駐在員(
社内異動者)について、これまで実務上、日本とベトナムの両方から給与を受け取る運用が
一般的でした。日本親会社が本給や賞与を支給しつつ、ベトナムでの生活費や現地手当に相
当する部分は現地法人が負担・支給するという形態が、多くの企業で長年にわたり定着して
いました。
しかし、2025年8月に施行された政令219/2025/ND-CP以降、ベトナムの労働当局が「社内
異動者への現地法人による給与支払いは認められない」という厳格な解釈を示したことによ
り、この従来の実務慣行に対して見直しが求められる状況となっています。本記事では、こ
の問題の背景と最新の制度動向、想定されるリスク、そして特に新設企業が設立時から検討
すべきポイントについて、分かりやすく解説します。
1. 社内異動(Internal Transfer)とは
・社内異動の定義
ベトナムにおける「社内異動」とは、ベトナムに子会社や駐在員事務所などの現地拠点を有
する外国企業(親会社)が、自社の管理者・専門家・技術労働者などを当該現地拠点に異動
させる就労形態を指します。社内異動に該当するためには、主に以下の2つの条件を満たす
必要があります。
・ 親会社と異動先のベトナム現地拠点との間に直接的な資本関係があること
・ 異動前に親会社で12カ月以上連続して勤務していること
この「社内異動」形態は、日系企業の駐在員派遣において最も一般的に利用されてきました 。
その理由として、親会社の経営方針や企業文化を理解した社員を派遣することで現地経営
がスムーズに行えること、そして社会保険の加入が免除されるというコスト面のメリットが
あります。
・社内異動者の給与に関する原則
社内異動形態の場合、駐在員は日本の親会社との雇用契約を維持したままベトナムで勤務し
ます。そのため、法的には給与の支払い元はベトナム現地法人ではなく、派遣元である日本
の親会社であり、ベトナム現地法人との間では労働契約を締結しないというのが本来の法的
な性質です。しかし実務上は、駐在員の給与のうちベトナムでの勤務に対応する部分(生活
費や現地手当相当分など)については、ベトナム現地法人が負担・支給するケースが大半を
占めてきました。この運用は長年にわたり多くの日系企業で定着しており、当局からも特段
の指摘を受けることなく行われてきたのが実態です。今回の政令219号に基づく当局の見解
により、こうした従来の実務慣行が法令上認められなくなる可能性が高まっている点が、本
記事の最も重要なポイントです。
2. 政令219号の施行と給与負担問題の表面化
・政令219/2025/ND-CPの概要
2025年8月7日に施行された政令219/2025/ND-CPは、旧政令(政令152/2020/ND-CP)に代
わる外国人労働者の管理に関する最新の政令です。本政令では、ベトナムで就労する外国人
の就労形態がこれまでよりも明確かつ詳細に規定されました。また、手続きの一部簡素化も
行われています。
・当局による厳格な解釈
政令219号自体には「社内異動者への現地給与支払い禁止」という明文規定はありません。
しかし、同政令の運用説明会や各社との個別相談の場において、ハノイ市・ホーチミン市の
労働当局担当者から以下のような解釈が示されています。
・ 社内異動者はベトナム国内で労働契約を結んでいないため、ベトナム現地法人は給
与を支給してはならない(全額、日本の本社が負担すべき)
・ 現地法人が給与の一部でも負担する場合、「社内異動」ではなく、現地で労働契約
を締結する形態への切替えが必要
つまり、「社内異動」形態でワークパーミット(WP)を取得しているにもかかわらず、現
地法人から給与を支給している場合、政令219号の趣旨に照らすと法令上不適合とみなされ
る可能性があるということです。
・実務との乖離
前述の通り、多くの日系企業ではこれまで、駐在員の給与を日本とベトナムの両方から支給
する運用を行ってきました。日本の親会社が本給や賞与を支払い、ベトナム現地法人が生活
費相当分や現地手当を負担・支給するという形です。その主な理由として、個人所得税の関
係上、ベトナムでの労働から生じる所得を明確にする必要があること、また駐在員がベトナ
ムでの日常生活資金を現地通貨で確保する必要があることなどが挙げられます。このように
、法律上の「社内異動者への給与支払い元は親会社」という原則と、実務上の「現地法人も
ベトナム分の給与を負担する」という慣行との間には、長年にわたりズレが存在していまし
た。今回の当局の厳格な解釈により、各社は対応の検討を迫られています。
3. 社内異動者が現地で給与を受け取る場合の2大リスクとは?
社内異動者に対して現地法人が給与を支払っている場合、以下のようなリスクが想定されま
す。
・社会保険の二重負担リスク
社内異動形態の大きなメリットの一つは、ベトナムでの社会保険加入が免除される点です。
しかし、現地で給与を負担していることを理由に「労働契約の履行」形態への変更を求めら
れた場合、ベトナムでの社会保険加入が必要になります。
日本とベトナムの間には社会保障協定が締結されていないため、日本側の社会保険料も引き
続き支払う必要があり、「二重払い」が発生してしまいます。
・法人税上の損金不算入リスク
社内異動の形態では、現地法人と駐在員の間に労働契約が存在しないため、現地法人が支払
った給与費用は法人税上の損金として認められないリスクがあります。これは、税務上のコ
ストに直結する重要な問題です。
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