タイの安定した財政状況と今後の課題について

今回はタイの安定した財政状況と今後の課題についてお話します。

 

財政収支は比較的健全な状態を保っています。
2003年度から 2008年度まで財政黒字となっており、2009年度には世界金融危機に対応する景気刺激策のための財政出動により赤字額が2,800億バ ーツ、対GDP比3.18%となりましたが、刺激策が功を奏して2010年、2011年と歳入を伸ばしました。

その結果、財政収支のマイナスは2009年に比べると少なくなりました。 しかし、最近では、財政悪化を警戒する声も聞かれます。

背景の1つは、2011年10月に起きた大洪水による製造業の稼働率の低下、 欧州財政危機を中心とした世界経済停滞による輸出産業の伸び悩みなどによる税収の減少です。

 

 

また、洪水の復旧作業だけでなく、誘致国への信頼回復のための中長期的な治水事業の見直しに、総予算3,500 億バーツを費やしました。
個人消費の基調の底堅さや政府・中央銀 行の対応もあり、景気は回復に転じました。
2013年度に財政収支は持ち直しましたが、2014年は再び財政収支が悪化したため、政府は 2015年後半に内需向け景気対策を相次いで発表(総額で名目GDP 比3%規模)、2016年に内需強化のための補正予算(同0.4%)を可決しました。
当面財政からの景気下支えが期待できます。

 

 

以上、お読みいただきありがとうございました。

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2019-10-23

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