ラオス投資インセンティブに関して

お世話になっております。
TCFタイ兼ラオスの高橋です。

今週は、ラオスの投資インセンティブに関して記載していきたいと思います。

ラオスでは、外国資本誘致のために、最長10年間の法人税免税など、種々の優遇措置を用意しています。

ラオスでは、投資インセンティブが地域別インセンティブと経済特区別インセンティブの2つに分かれます。更に、地域別インセンティブはゾーン1、2、3に分かれます。
ゾーンは、インフラの整備度によって区分され、インフラが未整備な地域ほどインセンティブ度が高まりますが、経済特区に関しては、業種および条件によって優遇策が異なります。
[申請先]
改正投資奨励法に基づき投資インセンティブを受けるためには、投資の種類ごとに申請先が異なります。一般事業については、ネガティブリスト事業と非ネガティブリスト事業の2種類があり、(改正投資奨励法33条)、コンセッション事業、経済特区開発、輸出加工工業開発への投資については、中央もしくは県レベルの投資ワンストップ・サービス室に申請しなければなりません(改正投資奨励法45条)。

■投資ワンストップ・サービス室
投資ワンストップ・サービス室は、各セクターや地方自治体の代表者で構成され、投資家に対して、投資情報、投資申請の審査、企業登録証またはコンセッション証明書の発給などさまざまなサービスを提供することが義務付けられています(改正投資奨励法83条)。これにより、投資家は迅速かつ、簡便な手続によるサービスを受けることができます。
なお、投資ワンストップ・サービス室は、計画投資省に設置されています(改正投資奨励法81,82条)。

■地域別インセンティブ
ラオスでは、全国が3つのゾーンに区分され、都市から離れるほど特典が付与される仕組みになっています(改正投資奨励法11条)。例えば、法人税の免税期間は、首都圏である第2ゾーンでは、最長7年であるのに対して、第1ゾーンでは、最長15年になる、という具合です。産業の分散を図り、地方と都市間の貧富の差を抑えることを趣旨としており、隣国のタイを模倣した制度となっています。
■奨励対象業種

改正投資奨励法第9条では、9つのセクターを奨励優遇対象に定めています。

1. 高度で最先端な技術、科学技術の研究開発、イノベーションの活用、環境に優しい事業、天然資源エネルギーの節約に寄与する事業
2. 環境に優しい農業、無農薬、育種、畜産品種改良、工芸作物栽培、森林開発、環境および多様性の保護、地方開発、貧困削減に貢献する事業
3. 環境への負荷が少ない農産品加工、国家独自の工芸品加工
4. 環境への負荷が少ない持続的な自然・文化・歴史観光産業の開発
5. 教育、スポーツ、人材開発、職能開発、職業訓練所、教材及びスポーツ用品の生産・開発
6. 高度な医療施設、医薬品・医療機器のための生産工場、伝統医薬品の開発と治療に関する事業
7. 都市部における交通渋滞緩和、居住地域開発のための公共サービス・インフラ整備への投資、農業および工業用インフラ整備、商品輸送・越境サービス
8. 商業銀行融資へのアクセスがない国民や貧困解決のための政策銀行、マイクロファイナンス事業
9. 国内生産や世界的なブランドの販売促進のための近代的ショッピングセンターの開発・運営、国産の工業品・手工芸品・農産品を展示する展示場の開発・運営

改正投資奨励法で上記のセクター向けに特別に定められる優遇措置を受けるには、投資総額が12億キープ以上、またはラオス人技術者を30人以上雇用、またはラオス人労働者を1年以上50名以上雇用する必要があります(同法第9条)。
合わせて、第8次国家社会経済開発計画(2016-2020)では、近代技術を用いた加工業への投資の促進が明記されています。

[各種優遇措置の内容]

1 法人税に関する優遇
原則として、ゾーン別に以下の法人税免税期間が適用されます。免税期間はゾーンごとに異なり、商業開始日から一定期間において法人税の免税措置が適用されます。なお、製造業については、収益が発生した年からの適用となります(改正投資奨励法11条)。

【地域別の法人税及びコンセッション費の免除期間と追加優遇】

 

地域 説明 免税期間 92,3,5,6セクターへの追加優遇
1地域 貧困地域、遠隔地、社会経済インフラ未開発地域 10年間 10年間 法人税、コンセッション費免除期間を5年間追加
2地域 社会経済インフラが整備された地域 4年間 5年間 法人税、コンセッション費免除期間を3年間追加
3地域 特別経済区 4各特別経済区により別途規定

出所:2017年改正投資奨励法よりTCF作成

2 土地利用に関する優遇
病院、学校、職業訓練校、研究所及び公益事業などについては、政府保有の土地に対して、借地料又はコンセッション費のいずれかの免除措置を受けることができます(改正投資奨励法15条)。

第1ゾーン:10年間の免除。さらに第9条2,3,5,6に該当する事業は5年間の免除が追加される。
第2ゾーン:5年間の免除。さらに第9条2,3,5、6に該当する事業は3年間の免除が追加される。
第3ゾーン:特定の規則にて規定される。

3 特別経済区での事業における優遇
特別経済区とは、特定の行政原理を有する区域であり、ハイテク、持続的発展・環境にやさしい農産品生産、クリーン生産、天然資源節約・省エネルギーにおけるイノベーション利用産業などの投資誘致のための条件を構築することを目的としています。企業活動の競争力強化を視野に入れた社会経済インフラや施設等を総合的に建設し投資誘致を促すことにより、産業育成、雇用促進を通じた経済発展が望めます。

以上、弊社ではラオスビジネスにおいて進出サポートから設立後業務まで一貫してサポート可能でございます。
何かご質問等ありましたら、ご連絡頂ければと存じます。

 

 

 

 

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2019-10-23

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