タイの経理の現状

TCF(Thailand)の高橋です。

今日のブログではタイの経理の現状について記載していきます。

 

タイでは現在、100万社を超える企業が操業しているといわれ、原則すべての企業に監査を受ける義務が課されています。しかし、監査をする公認会計士の数は、圧倒的に不足しているのが現状です。

 

タイで経理処理を行うにはタイ人スタッフで※CPDライセンスを保有するスタッフを直接雇用するか、会計事務所等に外注委託をすることが会計法等で義務付けられています。このCPDライセンスは、大学で会計学部を卒業していなければ、獲得することができません。  

日本であれば、経済学部や文学部を卒業しており経理の専門でなくても会社の配属で経理部に配属されれば、経理担当として仕事をされることもあると思います。しかし、タイの場合、経理の勉強をしたことがなく、比較的数字に弱いタイ人は経理の仕事をやりたがりません。

 

経理学部を卒業していない方で、実務で経理担当として経験をし、会計の仕分け業務ができるとしても、月次会計の締めを行うためには再度大学に行き直し会計学部を卒業して資格をとらなければなりません。逆にいうと、大学で会計学部を卒業していれば業務が実際にこなせなくても、経験が十分になく知識が乏しくても、決算書にサインをすることはできます。

 

ASEANの他国をみても会計業務にこれほど手間がかかるのはタイくらいのようで、ASEAN全体の管理をされている日本人責任者の方々からすると、

「なぜタイでは経理部門に人が必要なの?」

「シンガポール、マレーシアでは50名程度の総社員数に対して経理は1名程度、タイも社員数や売り上げのボリュームは変わらないのになぜ経理が5名、6名必要なの?」

と、本社からの理解を得られるのに非常に苦労をされているそうです。

 

また、監査に関しては、CPDライセンスに加え、※CPAライセンスが必要となります。タイではCPAライセンスの取得数が少なく、ひとりで担当する企業数が多すぎるため、会計監査には長期の時間を要し、適正な監査がなされていないことも多いといわれています。

 過去にはひとりで2万社の監査という実行不可能な監査証明に署名したとして、資格を剥奪された公認会計士が新聞をにぎわせたこともありました。

 

※ CPDライセンス

CPDライセンスは日本でいうと税理士資格に近い資格です。

CPD取得には試験はなく大学で会計学部を卒業し登録にいけば取得ができる資格です。

※CPAライセンス

CPAライセンスは日本でいう会計士資格の資格です。

会計だけでなく監査の実務経験や試験を受けて取得する非常に難しい資格です。

 

弊社には現在約15人の経理スタッフ、2名のCPAライセンス取得者がおります。

また、新たな会計ソフト、または人事考課制度のためのソフトの導入も提案しており、バックオフィス全般の部分の正確性、効率化、をサポートしております。自社の経理部門、または人事全般にお困りのお客様がおりましたら、ご相談頂けたらと思います。

 

 

今回のブログは以上となります。

まだまだタイは暑い時期が続きますが、みなさん暑さに負けないように頑張っていきましょう!

 

 

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2019-10-23

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