タイの年次決算に向けて

みなさんこんにちは。東京コンサルティングファーム タイ事務所の長澤です。

今回はタイの年次決算に向けて、です。
タイでは12月決算期の企業が多いですので、いまから準備をしていることも多いかと思います。

実際には委託をしている会計事務所や自社の会計スタッフが対応することになるかと思いますが、蓋を開けてみると決算報告書が遅い、監査が遅れてしまった、という声を聞きます。
ポイントとなるスケジュールとスタッフが行き詰まりやすいポイントを抑え、常に状況をアップデートしてもらうように心がけることが大切です。

まずは、決算に関わるスケジュールをおさらいしましょう。
1‐12月決算の場合には、
・定時株主総会:4月末
・確定申告:5月末
・監査報告書提出:定時株主総会より1カ月以内
となります。

ただし、日本の3月決算の会社も多いと思いますので、その場合には、2月下旬~3月上旬には監査をし、定時株主総会、監査報告書の提出をするというスケジュールが多いかと思います。

次に、行き詰まりやすいポイントです。
1. 決算整理事項
決算整理事項は大きくは日本と変わりませんが、主に以下のようなポイントがあります。
・棚卸資産
・減価償却費計上
・引当金計上
・経過勘定処理
・VAT精算

2. 法定監査指摘事項
法定監査の指摘事項は上記の決算整理事項とも関わりますが、特にタイにおいては以下の点に留意が必要です。
・親会社との費用付替え処理
・親子ローン処理
・固定資産管理と計上基準
・棚卸資産減耗の取扱

 上記の通り、親会社との費用付替えや親子ローンの取り扱いについては、契約書等の証憑を残す、源泉処理をするべきものはするという対応をとっておく必要があります。最近では監査人がコンプライアンス面への責任を取ることを重要視されていることから、法定監査においてコンプライアンス面の確認が入ることもみられます。

 タイの固定資産計上については以前取り上げた通りです。原則1年以上使用するものは金額に関わらず固定資産計上ですので、留意が必要です。
 また、棚卸資産が実際の在庫と簿価で差異が生じる場合には、棚卸差異の損益で処理をすることが一般的に多くなります。ただし、棚卸減耗については特に税務上損金不算入であるという点にも留意が必要です。

 指摘が入りやすいポイント、自社での今期の取引でインパクトの大きい取引については特にどのように処理されているか、ペンティング事項がないかをスケジュールとともに把握することが大切です。

以上
東京コンサルティングファーム
長澤 直毅

 

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2019-10-23

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