シンガポール首相

投資環境・経済

こんにちは、シンガポール駐在員の和久井です。

シンガポール初代首相として1959年から30年間に渡り務めたリー・クゥアンユーは、マレーシアから独立分離後、何も資源も持たない状況にいたシンガポールを見事経済発展に導き、外資金融や産業投資を誘致する戦略に海外へ影響を及ぼすほどの国家へと成長させた指導者として、東南アジアもっとも影響力ある政治家の一人と言われています。そして、その息子に当たるのが、現リー・シェンロン首相であり、先月26日に、毎年開催される独立記念日に続き、ナショナル・デイ・ラリー(National Day Rally)に、今後の注力すべき国の課題や国の方針を一般市民に向けて演説を発表しました。

首相が示したテーマは「シンガポール物語の次章はどのような内容であるべきか」をもとに、次の章を書き加える新たな意気込みを、3つのキーワード「Hope 希望」「Heart 寛大な心」「Home 故郷」に託しました。シンガポールが建国50周年を3年後に迎える今年、国民ひとりひとりが真剣に国の未来を考え社会に貢献してもらいたいとの思いを国民に訴えました。その中で、高齢化かつ少子化が進む中にあって、いかにシンガポールが生き残り、競争に打ち勝てるか、今がその準備を行う時期だと捕らえています。グローバル経済で益々アジアが国際経済、発展に寄与する時代に入ったとして、シンガポールも新しい成長段階に入ったと捕らえ、今後20年は後期とチャレンジに満ち溢れると語りました。益々の国の発展と経済成長に注力していくには、現代国が抱える課題や問題を表面化し、それに対する改善策が国の政策に反映するこの演説は、影響を受ける企業や一般市民にとっては重要な情報源でもあるのです。また外国人労働者人口増加に伴い、協調性に欠ける国民のマナーのあり方や少子化に対する育児休暇制度を導入するなど、身近な話題が多いのです。また、前進するためには、常に新しいものを取り入れ、また必要によっては大胆に再構築する必要があると指摘。これはただの演説の中で終わる話ではなく、有限実行をする政府の動向が見受けられる、というのがこの年に1度行われる首相演説の大きな特徴なのです。今後のシンガポールの行方が益々期待されると同時に、首相の演説に国民が関心を持っている姿勢を通して、演説はとても有意義なものだと感じます。

以上

関連記事

ページ上部へ戻る