皆さん、こんにちは。
フィリピン・マニラの近石です。
今週も皆様から寄せられたご質問についてお答えしていきます。
質問)
弊社では現在日本において、商売を営んでいるのですが、フィリピンでも商売を展開しようと考えています。その際フィリピンで得た所得に対する、税金についてどうなっているのか情報を集めているのですが、フィリピンは日本との間に租税条約というものがあることが分かりました。そこでご質問があります、租税条約とは何ですか。ぜひ、ご教示いただければと思います。宜しくお願い致します。
回答)
お問い合わせいただきありがとうございます。
今回のお話は複雑なので、複数回に分けて回答させていただきます。
まず、他国において商売をする際問題になるのが二国間での課税の扱いです。これは、所得を国内、国外のどこから得ているかに関わらず、すべて課税の対象とする、全世界所得課税を採用する国において、住んでいる国と所得を得た国が異なるために、そのどちらの国でも同時に課税されることで生じるので、国際的二重課税と呼ばれています。
しかし、このような税制は、商売を行う人にとって税負担が大きくなり、取引を行う人の利益が著しく損なわれるので、経済発展の阻害要因になり、様々な方法でこの排除が試みられています。
各国では、法律で国際的二重課税を解消するため、自国での納税額から、国外源泉所得に対して課税された税額を控除する外国税額控除制度を採用するなど、個別に仕組みや制度を整えています。
このように各国で国際的二重課税を解消していくだけではなく、二国間において、特別な条約を作り、解消し経済発展を促していこうとする動きが、徐々に広がり始めています。この条約のことを租税条約と言います。
この租税条約は、その企業の母国でのみ課税し、所得を得た国では免除もしくは課税額の減税、という形で二重課税を回避しようとするものです。
このように経済発展を、国を超えて促進するために、二国間で相互に取り決め承認した租税条約に関しまして、簡単に説明させていただきましたが、次回以降、租税条約を適用するための条件や、租税条約を適用することで税率がいくら減税されるのか等、より実務的な側面を見ていくことにします。
今週は以上となります。
弊社では、フィリピン進出から進出後の会計、税務、人事および労務まで
すべて対応しております。
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フィリピン国 マニラ駐在員
近石 侑基
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