フィリピンにおける移転価格税制について4

税務

皆さん、こんにちは。

フィリピン・マニラの村尾です。

 

今週も前回に引き続きフィリピンにおける移転価格税制についてお知らせいたします。

 

前回、事前確認制度(APA)についてお伝えしておりましたが、最後にバイラテラルAPAとユニラテラルAPAという用語が出てきました。

 

・バイラテラルAPAとは

 取引がクロスボーダーで行われる場合、移転価格の問題は、国家間の所得配分の違いによる課税権問題であるため、課税リスクをゼロにするには、それぞれの税務当局から確認をうける必要があります。この場合、納税者が申請した移転価格の設定方法について、両国の税務当局が「相互協議」と呼ばれる国家間協議の場で話し合い、所得配分について協議を行います。両税務当局が合意すれば、申請した取引について3年~5年程度、移転価格に関する課税を回避できることとなります。

 

バイラテラルAPAとは上記のように取引が行われる両国の税務当局から事前確認を取り、合意を得るものとなります。

バイラテラルAPAを取得しておくメリット・デメリットは以下となります。

 メリット:

・両国が移転価格について合意している為、課税リスクがゼロとなる。

 デメリット:

  ・APAを取得するために通常2年ほどの期間を要する

  ・APA取得に際し、実務上両国でアドバイザリーをうけることとなる為コストが大きい

  ・途上国においては移転価格に関する経験が乏しい協議に時間を要する、または決裂するリスクがある

 

移転価格税制に関する対策を行うことで数十億の課税リスクを回避することも可能となりますが、一方でコストの観点からも自社でAPAを取得するかは判断していく必要があります。

 

今週は以上となります。

次週はユニラテラルAPAに関する情報を提供いたします。

 

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東京コンサルティングファーム

フィリピン国 マニラ駐在員

村尾 一樹 

 

 

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