【フィリピン税務】税制改革まとめ①

税務

皆様、こんにちは。

 

東京コンサルティングファーム・フィリピン支店の伊藤澄高です。

 

今回は2018年になってから税制改革が施行されるようになりましたが、

変更点も多く、まだご存じでない方に向けて税制改革をまとめた内容となっております。

 

  1. 個人所得税 

個人所得税について、従前の課税テーブルと比較し大幅に減税されました。現行課税テーブルでは年間所得が250,000PHP未満の場合、税額が0%となっています。

以下、両課税テーブルの比較表をご参考にしていただければと存じます。

 

従前課税テーブル(2017年まで)

現行課税テーブル(2018年~2022年まで)

従前ブラケット

税率

現行ブラケット

税率

0 – 10,000

5 %

0 – 250,000

0%

10,001 – 30,000

500 + 10,000を超過している所得に対して10%

250,001 – 400,000

250,000を超過している所得に対して20%

30,001 – 70,000

2,500 + 30,000を超過している所得に対して15%

400,001 – 800,000

30,000 + 400,000を超過している所得に対して25%

70,001 – 140,000

8,500 + 70,000を超過している所得に対して20%

800,001 – 2,000,000

130,000 + 800,000を超過している所得に対して30%

140,001 – 250,000

22,500 + 140,000を超過している所得に対して25%

2,000,001 – 8,000,000

490,000 + 2,000,000を超過している所得に対して32%

250,001 – 500,000

50,000 + 250,000を超過している所得に対して30%

8,000,001 –

2,410,000 + 8,000,000を超過している所得に対して35%

500,001 –

125,000 + 500,000を超過している所得に対して32%

 

 

 

 

 

2. 付加給付税の増税

 付加給付税(Fringe Benefit Tax)の税額については32%となっておりましたが、税制改革後は35%へ増税されています。FBTの税率増加の背景としては、個人所得税の最高税率が35%になったためです。

 

またFBTを計算する前に、経済的利益供与(金銭であるかを問わない)の評価額を算定し、算定額にグロスアップした課税標準額を計算します。このグロスアップの割合も68%から65%に変更となりました。 

 

3. 付加価値税の課税範囲拡大

 今回の税制改革にて付加価値税(Value Added Tax)12%の税率に変更はありませんが、課税範囲が拡大される可能性があります。

 

特にPEZA企業に向けて行われる物品販売やサービスの売上(間接輸出)に対し、VATが課税される可能性があります。理由としてドゥテルテ大統領がVATゼロレートは直接輸出に限定適用されるべきと主張しているためです。また、2018年2月にフィリピン財務省のドミンゲス財務相によると、PEZA企業に対する物品及びサービス販売に対するVATゼロレートの適用を2018年以内に廃止するようにしていくと述べています。

 

今週は以上となります。

次週より、また別のトピックを取り上げさせていただきます。

 

それでは、今週もどうぞよろしくお願い致します。

 

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東京コンサルティングファーム

フィリピン国 マニラ駐在員

伊藤 澄高

 

 

 

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