こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Cebu Branchの近石 侑基です。
フィリピンの上院及び下院では現在Tax Amnesty法案が議論されています。Tax Amnestyとは租税特赦と訳され、資産や所得を正しく申告していなかった納税者が自主的に開示・申告を行った場合に、これに本来ならば課される加算税等を免除したり刑事告発を免除したりする制度のことです。インドネシアでも財源確保のために2016年7月から2017年3月の期間にタックス・アムネスティを実施し、135兆ルピア(約1.35兆円)の税収を確保しており、フィリピンでも2007年に実施しましたが、納税者の税務コンプライアンスの意識の低下を招く恐れから、財務省が導入に難色を示していた経緯がありました。
現在両議院で議論された内容が取り纏められて、下記の内容も法案に対する承認をドゥテルテ大統領から署名を待つのみとなります。
2017年12月31日時点で未申告・未納となっている国税一般(General Tax Amnesty)に対しては、同時点での納税者のSTA(Notarized Statement of Total Assets)に記載の総資産*1の2%又はSALN(Notarized Statement of Assets, Liabilities and Net Worth)に記載の純資産*2の5%、いずれか高い方を納めることで、過去の未申告・未納付のペナルティー及びいかなる法的制裁も免除する、という内容でフィリピン国会にて議論が進められています。
*1:総資産とは、フィリピン国内外の動産及び不動産、無形有形資産、投資目的及び事業目的の試算のすべての資産を含みます。
*2:純資産とは、総資産から総負債を差し引いた金額となります。
今回の法案は、Tax Amnestyの適用を受けることで、過去未申告・未納付のあった企業にとってはペナルティーや刑事罰を問わないということで、非常に魅力的な法案であるかもしれません。ただし、TaxAmnesty適用可能期間は今のところ1年間となっていますので、今回のTax Amnestyの適用を受けずに、過去未申告・未納付が発覚した場合は、これまで同様に刑事罰及びペナルティーに問われる可能性があるので、これを機に過去のコンプライアンス等含めて事前にご確認頂いた方が宜しいかと思います。
今週もどうぞよろしくお願い致します。
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東京コンサルティングファーム フィリピン・セブ拠点
近石 侑基
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