こんにちは、フィリピン駐在員の田辺です。
フィリピンでは日本と比べてクリスマスシーズンがとても長く、月の名前に「ber」がつき始めるとクリスマスの準備を始めます。SeptemberからDecemberを通り越し、1月中旬までクリスマスムードは続くとのことです。にぎやかなフィリピンらしく、非常に個性的で面白い文化だと思います。
さて、今週のブログはフィリピン人にとって、そんなクリスマスシーズンには欠かせない13カ月手当についてお話をさせて頂きます。
●13カ月手当法について
周辺のアジア諸国の主たる宗教が仏教やイスラム教、ヒンドゥー教であるのに対し、フィリピンはアジアの中で唯一のキリスト教国です。この背景にはスペインが植民地支配を進めるための政策としてキリスト教を用いたということがあります。
国民の90%以上がキリスト教徒であるフィリピンでは、クリスマスと新年を祝うために、13カ月手当法(The 13th-MonthPay Law)という法律が定められています。雇用者は12月24日以前に、労働者がその年に受取った基本給の1カ月分を13カ月手当として支払わなければなりません。なお、13カ月手当は2回に分けて支給することも可能です。
フィリピンでは賞与の支払は義務付けられていないため、フィリピンの現地企業では賞与の支払は一般的ではありません。一方日系企業では、2010年には70%の企業で賞与が支払われています。また、13カ月手当法が施行される以前は、クリスマスボーナスという形で賞与を支払っていた企業もありました。
キリスト教徒ではない日系企業にとって13カ月手当の支払はかなりの負担に感じられることと思いますが、所定の日までに支給しない場合は罰則があり、労働者の不満を買うことにもなるため細心の注意が必要です。
13カ月手当については、最高3万ペソまで給与所得者の所得税が免除されます。所得税免除額の上限を超える部分については、雇用者が源泉徴収することになります。13カ月手当に対して所得税が一部免除されるという点からも、国家としてこの手当を重要視していることが伺えます。日系企業には、現地の風習を考慮した対応が必要かと思われます。
今週もどうぞ宜しくお願い致します。
以上