フィリピン投資おける形態別の優遇措置

みなさんこんにちは、本日はフィリピン投資おける形態別の優遇措置についてお話したいと思います。

■ 地域統括本部、地域経営統括本部に対する優遇措置

1987年 オムニバス投資法の定めに従い、 地域統括会社(RHQ: Regional Headquarters)または地域経営統括会社(ROHQ: Regional Operating Headquarters)として登録している企業は、後述のインセンティブを受けることができます。

RHQは、アジア太平洋地域における支店や関連会社の監督や調整 業務を行います。フィリピン国内での事業活動を源泉とした収益を計上することはできず、フィリピン国内に子会社や支店を有している場合であっても、経営に直接参加することができません。

一方ROHQは、フィリピンまたはアジア太平洋において、他の支店、子会社に対して総務/企画、事業計画・調整、財務助言サービス、原材料及びコンポーネントの調達、販売の管理/促進、訓練/人事、物流業務、研究開発/製品開発、技術サポート/メンテナンス、 データ処理・通信、事業開発といったサービスを提供する事業拠点です。RHQとは異なり、フィリピン国内での事業活動を源泉として収益を上げることができます。

要件を簡略化すると次のようになります。

・ RHQの活動は、地域内の統括・連絡・調整センターとしての役割に限定される

・ ROHQは、フィリピン国内での事業活動を源泉として収益をあげることができる

・ RHQは、フィリピン国内の子会社や支店の経営に参加すること、あるいは、本店、支店、関連会社、子会社または他の会社に代わって商品及びサービスの販売を行うことができない

・ RHQを開設する多国籍企業は、フィリピン国内における活動を行うのに必要な金額を、フィリピンに送金することを義務付けられ、その最低金額は、年間5万USドルまたはこれに相当する外貨金額であることが要件である。ROHQについては、20万USドルを一括送金する必要がある

主に税金面の優遇措置が与えられます。

RHQ

ROHQ

減免措置

・法人税所得免除(ただし、年次
申告書を提出しなければならない)
・売上、品物や財産のリース、サービスの付与に関しては、付加価値税が免除

・法人所得税が10%となる
・付加価値税税率が10%となる

・地方税及び手数料が免除される。
・研修や会議に使用する備品の輸入は免税となる(ただし、備品は国内で調達できないものに限り、税金や関税の支払いを受けてから2年以内は処理できない。2年以内で処理した場合は、税金・関税の支払い対象となる)

また、適用を受けたRHQ、ROHQで雇用される駐在員に対しても、 減免措置やビザ取得の便宜の優遇措置が適用されます。

[ビザ]

RHQ及びRHOQに所属する駐在員及びその同伴者・未婚の子女(21歳未満)は有効期間3年のビザが発給される。(なお、申請すれば追加で3年の延長が可能となる)

[減免措置]

外国人駐在員の個人使用による所持品及び家財が免税輸入となる。また、職員やその扶養家族の旅行税については減免される。

以前はRHQ及びROHQに所属する駐在員の個人所得税は一律15%と優遇措置が取られていましたが、税制改正法案(共和国法第10963号)により、2018年1月1日よりRHQ及びROHQにおける個人所得税の優遇措置が撤廃されました。以後は一般の駐在員同様、累進課税制により、個人所得税(0%〜35%)が適用されます。

お読みいただきありがとうございました。
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