【フィリピン労働法解説④】Night Shift~深夜割増~

労務

皆さんこんにちは。
東京コンサルティングファーム、フィリピン・セブ支店の上原です。

本日はフィリピンにおける深夜割増賃金、Night Shift Differentialに関する、フィリピン労働法の具体的な適用指針に関して紹介していきたいと思います。

 

フィリピンでの労働法はLabor codeとしてDOLEにより定められています。
※DOLE公式HPより閲覧可。

ただし、ご存知の通り法律とは基本的に普遍的な条項を定めるという目的から、具体的な解釈や実務レベルでの適用の際に判断が曖昧になることが多くございます。

そこで参照されたいのが、労働法の具体的なガイドラインを記載した解釈指針です。
今回は「HANDBOOK ON WORKERS’STATUTORY MONETARY BENEFITS」に記載のある、割増賃金に関して紹介していきたいと思います。

 

※下記よりダウンロード可能です。Handbookの22ページ以降に「Night Shift Differential」項目の記載がございます。
http://bwc.dole.gov.ph/downloads/handbook-on-workers-statutory-monetary-benefits-2

 

基本的な構成として、その言葉の定義、適用範囲、適用された場合の扱いの詳細、例外などが細かに記載されております。
Night Shift Differentialに関しては下記のような構成です。

  • A.定義
  • B.適用範囲
  • C.深夜割増賃金の計算

それでは一つ一つ解説していきたいと思います。

 

A. 定義

訳語は下記の通りです。

ナイトシフトディファレンシャル(NSD)とは、午後10時から午前6時の間に実施される、従業員の通常の1時間あたり賃金の10%追加で支払われる補償のことを指します。

仮に、1時間残業して午前7時まで終業した場合、この一時間の残業代に深夜割増は含まれないことを意味します。

 

B. 適用範囲

ここでは深夜割増賃金を受け取れる対象外の要件が記載されています。
小売業、サービス業の従業員かつ、週5日未満の就労日数の場合は対象外であったり、思わぬ穴がありますので、ご注意ください。

 

C.割増賃金の計算

ここでは様々な状況下での深夜割増賃金の計算方法が記載されています。
例えば、通常の終了日、休日出勤日、祝日での出勤日、深夜帯での残業の場合など、あらゆる計算方法が事細かに記載されております。

状況によっては計算が複雑になる場合もございますので、ここを参考にされるとよいでしょう。

 

今週は以上です。

本ブログがフィリピンでご活躍される経営者の皆様、および今後進出をお考えの皆様の一助となれば幸いでございます。
来週もどうぞよろしくお願い致します。

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