いつもお世話になっております。東京コンサルティングファーム・マニラ支店の早川でございます。先日、法人の御客様向けに、財務役等の役員にフィリピン人の社員の方を任命する場合のリスクを本ブログにて掲載いたしました。
今回は、支店や駐在員事務所の場合の「居住代理人」という役割に、フィリピン人の方を任命するリスクについてご紹介します。
<居住代理人とは>
そもそも居住代理人(Resident Agent)とは、支店/駐在員事務所に関する法的手続きを、支店を代表して行う、という役割があり、最低でも一名のフィリピン居住者が必要となります。外国人でも、ビザを既に持っていれば、居住代理人になることができます。
ビザは設立手続きが完了してからでないと取得できませんが、この居住代理人は設立手続きの最初から任命しなければなりません。となると、必然的にビザが取れるまでに間は、どなたか、フィリピン人の方か、または社外の外国人に任せる必要が出てきます。
<よくあるケース>
日系のコンサルティング会社や、弁護士事務所の従業員の方に依頼し任命されるケースがありますが、中には費用を抑えるため、雇用する予定のフィリピン人の方を任命される場合もございます。信頼できるとはいえ、万が一その方に裏切られた際のリスクを認識する必要があります。
<リスク>
基本的にお取引先様・お客様とのご契約は居住代理人がされます。その他、監査済財務諸表の内容への承認も居住代理人のサインがあれば完了します。そのような事が本社側の承認なく出来てしまう、という点では居住代理人は信頼できる方である必要があるでしょう。
支店名や住所の変更といった、公的に証券取引委員会(SEC)の手続を踏む必要がある物に関しては、本社側の決議書が必要となるため、そこまで居住代理人が無断で変えるわけではありません。
ただしそのような変更をしたいと思った場合でも、居住代理人の方のサインがいただけなければ手続きできませんので、万が一、その方が会社の意向に同意してくれない場合、手続きが進めづらくなってします。
このようなリスクを把握した上で、慎重に任命する必要があります。
東京コンサルティングファーム・マニラ拠点
早川 桃代
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