フィリピンにおける会計基準

会計

こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippineの近石 侑基です。
今週のブログでは、フィリピンの会計基準について説明致します。

 

従来、SECはすべての企業に対して国際会計基準を基礎としたフィリピン会計基準を適用すると定め、一定の規模以下の企業(総資産2 億5,000 万ペソ以下、または総負債1億5,000 万ペソ以下の企業)にはPAS101号に従い、基準の一部の適用を行わなくても良いとされてきました。

 

しかし、中小企業からの要請により、2009 年に中小企業に対し適用内容が緩和された別基準(PFRS for SMEs:Philippine Financial Reporting Standards for Small and Medium Entities)が公表され、中小規模の会社に適した体系や内容の基準を適用することが認められるようになりました。
これは国際財務報告基準の中小企業向け基準(IFRS for SMEs:International Financial Reporting Standards for Small and Medium Entities)をそのままフィリピンの中小企業向け会計基準として導入したものであり、2010年1月以降に始まる会計年度から適用を認めることになりました。
更に、2018年3月26日に証券取引委員会(SEC – Securities and Exchange Commission)から小規模企業向けフィリピン財務報告基準(PFRS for SE‐Philippine Financial Reporting Standards for Small Entities)の適用について公表されました。

 

この新基準に関しては、日本からの進出企業のような外資企業に対しても、フィリピン国内企業と同様の体系により会計基準が適用されることになりますので、ご自身の企業がどの会計基準を遵守する必要があるのか、しっかりと確認する必要がございます。

 

中小企業及び小規模企業の定義は以下の通りとなります:

    ・中小企業:

      総資産が300万ペソ以上3億5,000万ペソ以下もしくは総負債300万ペソ以上2億5,000万ペソ以下を満たす企業

    ・小規模企業:

      以下の条件を全て満たす企業;

    1. 総資産300万ペソ以上1億ペソ未満、もしくは総負債300万ペソ以上1億ペソ未満
      (会社が親会社である場合、連結ベースでの計算とする)
    2. 証券規制法第68条(SRC Rule 68)に基づき、財務諸表を提出する必要のない企業
    3. 公開市場において、金融商品(種類は問わない)を発行する目的で財務諸表を提出する過程にない企業
    4. 政府機関によって発行されたセカンダリーライセンスの保有者でない企業

 

ただし、他国で事業もしくは投資を行っている企業や、親会社がPFRSもしくはPERS for SMEsの提供対象になっている企業などは、PFRS for SEの適用対象にはならず、引き続きPFRSもしくはPFRS for SMEsの適用対象となると定められています。
同じくSEC通達では、PFRS for SEを採用している企業の会社規模が大きくなり、仮に期末時点で小規模企業の条件を満たさなくなり、その変化が重大で継続的である (significant and continuing)と判断された場合、翌会計年度から会社規模に応じた会計基準(e.g. PFRS for SMEs)を適用することとされています。

 

また、総資産が3億5,000万ペソ超もしくは総負債2億5,000万ペソ超、または上場会社の場合は引き続きIFRSに準拠したフィリピン会計基準PFRSが適用されます。

 

今週もどうぞよろしくお願い致します。

 

弊社では、フィリピン進出から進出後の会計、税務、人事および労務まですべて対応しております。
お気軽にお問い合わせください。

 

東京コンサルティングファーム フィリピン・セブ拠点
近石 侑基

TOKYO CONSULTING FIRM PHILIPPINE BRANCH (CEBU)
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