- 2022-10-24
- 労務
みなさんこんにちは!
東京コンサルティングファーム・フィリピン支店の古谷です。
2022年8月23日、フィリピン政府は2023年の一般祝祭日(Regular Holiday)と
特別祝祭日(Special Non-Working Day)のリストを発表しました。
フィリピンでの一般祝祭日とは、独立記念日やクリスマス等、毎年訪れる祝祭日のことです。
それに対して、特別祝祭日とは、フィリピン国にとって歴史的あるいは宗教的に
重要な事柄にちなんだ日として制定された祝祭日のことをいいます。
毎年、フィリピン政府は8月に翌年の祝祭日について発表します。
しかし、政府の発表によってこれら祝日の日付が分かることもあるので注意が必要です。
また、今回発表されたのはフィリピン国の祝日であり、地方都市によってはその他の祝日が
設定されている場合もあります。
例えば、2022年9月9日(金)はセブ島での特別祝祭日とされ、ルソン島に位置するマニラや
その他の地域は平日である中、セブ島全域は休日でした。
以下が2023年のフィリピンの祝日一覧になります。
一般祝祭日(Regular Holiday)
1月 1日(日) | 元旦(New Year’s Day) |
4月 6日(木) | 聖木曜日(Maundy Thursday) |
4月 7日(金) | 聖金曜日(Good Friday) |
4月 9日(日) | 勇者の日(Araw ng Kagitingan) |
5月 1日(月) | 労働の日(Labor Day) |
6月12日(月) | 独立記念日(Independence Day) |
8月28日(月) | 英雄の日(National Heroes Day) |
11月30日(木) | ボニファシオ記念日(Bonifacio Day) |
12月25日(月) | クリスマス(Christmas Day) |
12月30日(土) | リサール記念日(Rizal Day) |
特別祝祭日(Special Non-Working Day)
2月25日(土) | エドゥサ革命の日(EDSA People Power Revolution Anniversary) |
4月 8日(土) | 聖土曜日(Black Saturday) |
8月21日(月) | ニノイ・アキノ記念日(Ninoy Aquino Day) |
11月 1日(水) | 諸聖人の日(All Saint’s Day) |
11月 2日(木) | 特別祝祭の追加日(Additional Special Day) |
12月 8日(金) | 無原罪の聖マリアの日(Feat of the Immaculate Conception of Mary) |
12月31日(日) | 年末(Last Day of the Year) |
フィリピンの祝祭日を他国の祝祭日の数と比べると多いと言われることがありますが、
日本のように祝祭日が土日に重なった際の振替休日というのは基本的にないため、
平日ワーカーの労働者にとっては祝日が多いという感覚がないというのも事実です。
フィリピンの労働法では、上記のような一般祝祭日や特別祝祭日においての従業員の労働を
休日労働とし、割増賃金の対象としています。
一般祝祭日では、従業員は労働をしなくても通常の給与が支払われます。もし、労働が発生した場合は、通常の賃金の200%(倍額)の給与が支払われます。
特別祝祭日では、Special Non-working Dayと記されるように、労働をしない場合は給与の支払いは行われません。もし、労働が発生した場合には、通常の賃金の30%割り増しされた給与を企業は支払う義務があります。
その他、フィリピンでの割り増し賃金については下記のとおりです。
・通常の出勤日に時間外勤務した場合:125%
・特別祝祭日に8時間超の労働をした場合:130%×30%=169%
・所定休日かつ一般祝祭日で労働をした場合:260%
・所定休日かつ一般祝祭日で8時間超の労働をした場合:260%×30%=338%
・所定休日かつ特別祝祭日で労働をした場合:150%
・所定休日かつ特別祝祭日で8時間超の労働をした場合:150%×30%=195%
予想外の従業員への余分な給与支払いを避けるためにも、企業は祝祭日の把握も必要となります。企業は従業員の休息日を定めることが出来ますが、従業員の宗教的な習慣を考慮・尊重し、週間の休息日を定めることを推奨されています。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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