年次コンプライアンスは進んでますか?!

こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Branchの大橋 聖也です。

【1分でわかるフィリピン進出のイロハ】

ポイント㊾<年次コンプライアンスは進んでますか?!>

今回は、【年次コンプライアンスTop10】と題してご紹介します。

フィリピンに進出する日系企業は、進出形態や決算月によって若干異なりますが、

12月〜6月の期間にわたって主に以下のコンプライアンス遵守が必要になります。

余裕を持って期限遵守すべく、事前準備をしっかり整えておきましょう。

1.13 month pay
毎年12月24日までに雇用主は、暦年で1ヵ月以上働いた一般従業員に対して、暦年で支払った基本給の合計額を12で割った金額を支給しなければなりません。
支払った基本給をベースとするため、残業代や有給休暇の買取分は含まれず、また経営に関与する駐在員やローカル管理職に対する支給もまた義務付けられてはおりません。

2.法定監査
基本的に全ての現地法人・支店・駐在事務所は、年次の法定監査が義務付けられています。
事業年度末日から105日以内に、AFS(監査済み財務諸表)とITR(法人税申告)をBIRに提出し、120日以内にSECへの提出が求められます。
*12月決算法人の場合は、SEC窓口の混雑緩和を目的として、SECへの提出期限がSEC登録番号に基づくスケジュールが毎年定めれます。

3.営業許可書の更新
毎年1月20日までに、LGUでの地方税の支払い・バランガイクリアランス等と共に営業許可書の更新が必要です。
なお、PEZA製造業や物流業の場合は、営業許可書の取得・更新は免除されています。

4.GISの更新
現地法人の場合は、定時株主総会から30日以内、支店や駐在員事務所の場合は、SEC登録日なら30日以内に、GISの更新が必要です。

5.Annual reportの提出
フィリピンにACRを所持している外国人は、毎年2月末までに、BI(移民局)で年次更新の手続きが義務付けられています。
事前にAR Online Systemにより申請者本人の情報を登録し、申請番号を取得する作業が必要です。

6.個人所得税の確定申告
日本から駐在する場合、「外国籍の居住者」に該当し、国内源泉所得のみがフィリピン国内で課税されます。
課税対象期間は暦年とされており、申告・納付期限は翌年の 4 月 15 日となります。
なお、非上場会社の株式売却益、不動産の売却益による所得がある方は、所定の様式の申告書を別途提出する必要があるため注意が必要です。

7.GFFSの提出
年間売上高が5,000,000php以上の現地法人を対象に、SECへのAFS(Audited Financial Statement)提出日から30日以内にGFFSをSECへ提出する必要があります。

8.BOA認証会計士によるCompilation
年間売上が 1,000 万ペソ以上の会社は、BoA(会計審査会)の認証を受けたフィリピン公認会計士が年次の財務諸表及びその注記を作成(Compilation)し、署名された証明書をAFSに添付することが義務付けられています。

9.PEZAの年次レポート
PEZA登録企業については、事業年度末日から 90 日以内に年次レポートの提出が必要です。
また、BIRに提出したBIRの受領印付きのAFSやITRの提出が、税務申告期限から30日以内にPEZAへの提出が求められています。

10.TIMTAレポート
PEZA・BOI・SBMA・CDC等のIPAs(Investment Promotion Agencies)と言われる投資促進機関への登録企業については、TIMTAレポートの提出が求められています。
売上や売上原価に関する報告書であるannexA1は、5月15日まで、付加価値税(VAT)や物品税の免税に関する報告書であるannexA2は3月15日が期限となっています。

以上、自社の進出形態等を鑑みて、年次コンプライアンス遵守がされているか今一度チェックする一助になれば幸いです。

 

最後に、2017年9月に弊社フィリピン本の第2版が、出版されました。
フィリピンへの進出実務を最新の情報にアップデートすると共に、弊社フィリピン拠点における6年間のコンサルティング実務の経験を盛り込んでまとめ直したものとなります。
中でも本著はフィリピンの基本的な投資環境から、設立法務、会計税務、人事労務、M&Aに至るまでフィリピンでのビジネス展開に必須な情報を網羅的に収録していますので、
是非、本屋又は弊社宛にお問合せ頂き、手に取っていただけますと幸いです。

今週もどうぞよろしくお願い致します。

 

Tokyo Consulting Firm – Philippine Branch

大橋 聖也

 

2012年、東京コンサルティンググループに入社。中小企業の発展、会計業界の生き残りを掛けて、社外CFOとして社長のビジョン実現をサポートする、ビジョナリーコンサルティングを立上げに奮闘。社長の抱えるお困り事解決すべく経営理念の策定・経営会議のファシリテート・財務分析等の支援を行う。2016年10月より、フィリピン支店の拠点長として世界に活躍のフィールドを拡げ、真の顧客貢献を目指す。

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