フィリピンの浮動株式比率の行方

法務

東京コンサルティングファームフィリピン・セブ支店長の日比野です。

前回はフィリピン証券取引所、浮動株式比率について取り上げました。当時の証券取引委員会(SEC)から発行された2011年の取締りの強化に加え、先日2017年5月31日にフィリピン証券取引委員会は新たな規制を発表しました。

 

SECの通達によると、浮動株式比率基準を現行の10%から、2018年までに15%、2020年までに20%に引き上げなければなりません。同通達では、2017年7月1日以降の全ての新規上場企業の発行済株式のうち20%以上は浮動株式とする規定も明記されています。つまり上場企業は固定された株主が大多数の株式を保有するのではなく、市場で積極的に売買されるべきだという内容です。

 

今後、新たな浮動株式比率基準に準拠していない会社は、第三者割当増資、大株主による株式売却により規制に従うか、上場廃止等を行うことになります。

 

今までは浮動株式比率が低いことにより、積極的な株取引が行われなかったり、あるべき株価を反映していないケースがあったため、今回の新たな規制により、株主にとっては良い影響を与えるとも言えます。一方で、上場企業にとっては急な規制への対応に迫られることでネガティブに捉えられるケースもあります。今後もこのような、変革が徐々に行われていくことが望ましいと考えられます。

 

それでは今週もよろしくお願いいたします。

 

株式会社東京コンサルティングファーム

フィリピン支社 セブ支店 日比野和樹

 

関連記事

ページ上部へ戻る