ミャンマーにおける外資に関する規制の変化について

税務

 

ミンガラーバー、
東京コンサルティンググループ
ミャンマー支社の西野由花(にしの ゆか)です。

 

皆さん、ミャンマーへの投資を考えたことはあるでしょうか?
かつてミャンマーはほかの新興国と同様に外資の参入を制限していました。
しかしながら最近は法規制の緩和が進み、外資企業における投資のハードルが下がっています。

以下で、ミャンマーの外資企業における投資について簡単にご説明させていただきます。

ミャンマーでは2002年から「貿易業(貿易業を含む卸売業、小売業)」として外国企業の登記が凍結されていました。
しかし、2018年5月にミャンマー企業との外資合弁企業に一定分野において貿易業の参入を認め、外資規制を緩和する運びとなりました。

 

この規制緩和により外資企業であっても、
肥料、種子、殺虫剤、医療機器、建設資材、農業用機材等において貿易業が認められるようになりました。

また、ミャンマー企業との外資合弁企業に関しても
2015年には新車ショールーム事業を行うこと、
2016年には建築資材を輸入することを認める通知も発布されています。

さらに2017年の投資法に基づく投資規制業種通知の発布により
商業省の承認を得れば外国企業であっても小売または卸売事業への参入が認められるようになりました。
2018年にはサービス業の場合も、外国企業、外国企業の支店、国際非政府組織が事務用品、関連サービス用具を輸入することができる旨を明示する通知が公布されました。

 

さらに、2018年、ついに小売業や卸売業に対する外資企業の投資を認める通達を公表しました。
これによってミャンマーで政府は一定額を超える投資(※)を条件に、
外資100%の投資も容認するようになります。
また、これまでは商品の輸入も原則として現地企業を通す必要がありましたが、
今後は外国企業がミャンマーに販売会社を設け、
自社商品を国外から輸入し、販売することができるようになりました。

 

ただし、この通達においても、制限・禁止品目は除外されており、
かつ、外資が含まれている企業は929平方メートル未満の売り場のミニマートおよびコンビニエンスストアを運営することはできないので注意が必要です。
また、商業省は初期投資の定義や具体的にどのような手続きで申請を行う必要があるかなどの詳細についても同年に規定しています。

※小売業への投資には、外資比率が80%超の場合は300万ドル、80%以下ならば70万ドル以上の投資(土地賃料を除く)。卸売業では、外資比率80%超で500万ドル、80%以下では200万ドル以上の投資。

これらの規制緩和が行われた背景には外資受け入れの減少に歯止めをかけ高い経済成長を維持する狙いや、卸売業や小売業の競争を活発にし、物価の安定や技術導入をはかる狙いがあります。

一方、人権問題に敏感な欧米企業が
イスラム系少数民族ロヒンギャへの迫害に足踏みをしているために
外資の受け入れが減少しているのが理由であるとの見方も広がっています。
毎年変わっていく外資に関する法規制について、
今後もこまめにチェックしていく必要がありそうです。

今回は規制が緩和されたミャンマーの貿易業の投資と、
規制緩和の流れについて簡単に説明させていただきました。
次回は引き続き投資に関する話として、法規制などにより民間参入が制限されている分野などを紹介させていただきます。

 

また、詳しい内容を知りたい、内容に不明点がある。
という方がございましたら無料相談もしておりますので
ぜひお問い合わせいただくか
オフィスにお越しください。

ここまでお読みくださりありがとうございました。

 

 

 

 

Tokyo Consulting Firm Co., Ltd (ミャンマー)・ヤンゴン駐在員
西野由花(Nishino Yuka)

 

【WIKI-INVESTMENTのご紹介】

待望のデータベース化を実現!!『WIKI-INVESTMENT』オープン

これまで多くの企業様にご愛読いただいた弊社『海外投資の赤本』シリーズ計14冊24カ国(合計金額101,706円相当)の内容が、さらにマレーシア・アフリカ諸国のコンテンツも加わり、データベースに生まれ変わりました。

 

本データベース『WIKI-INVESTMENT』のオープンを記念しまして、今なら各国の2章分(第1章と第2章)を登録不要でお試しいただけます(もちろん無料です)。

さらに、すべての内容を一度見たいという声に応えまして、無料会員登録をしていただきますと、24時間で掲載30か国のすべての情報を閲覧することが可能です。

無料登録は、下記のURLよりたった1分で可能です。

http://wiki-investment.com/

(なお、閲覧する際は、PCでの利用をお願いします。)

コンテンツに関することは、メールで無料問い合わせが可能です!!!

(個別、具体的案件に関する質問は、別途、有料サービスも用意しております。)

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報を基に、細心の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び弊社は、一切の責任を負うことはありませんので、ご了承くださいませ。


参考

https://www.jetro.go.jp/world/asia/mm/invest_02.html
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30394020R10C18A5FF8000/

関連記事

新会社法の改正内容について① 外資企業の定義

禁止・制限されている投資や参入の際に許認可が必要となる分野について

ページ上部へ戻る