退職時における有給休暇未消化分の対応について

こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの田村彩紀です。
今週は、退職時における有給休暇未消化分の対応に関して記載をいたします。

 

質問)
弊社では連邦労働法の決まりに基づき、有休休暇を付与しております。もし、有給休暇を未消化のまま従業員が退職した場合、どのように対処するのが適切でしょうか。

 

回答)
有給休暇を未消化のまま退職した場合の処理に関しまして、
大きく分けて、2つの種類がございます。

①     有給休暇の消化可能期間前に退職した場合

②     有給休暇の消化可能期間中に退職した場合

それぞれについて、以下に詳細を記載いたします。

 

①     有給休暇の消化可能期間前に退職した場合

まず、メキシコでは、連邦労働法(西:Ley Federal del Trabajo)にて、有給休暇の最低支給日数というのが定められております。
詳細は以下のURLを参照いただければと存じます。

http://www.kuno-cpa.co.jp/tcf/mexico/information/labor.php

連邦労働法で定められた最低支給日数のみ付与、つまりは入社日(勤務開始日)から1年後に6日間の有給休暇が付与されるという条件の場合、1年未満で退職された場合が有給消化可能期間前ということになります。
有給休暇が消化できる期間前ではありますが、例えば、入社してから6か月間働いて退職した場合、1年後に6日付与されるとされていた分のうち、6か月間働いた分、つまりは有給休暇3日分を付与することとされております。
実際に、有休休暇そのものは消化できないため、有休休暇分の給与とバケーション・プレミアム1 の金額を通常の給与に上乗せし、退職する前最後の給与にて支給するという対応をとります。

1: 西:La prima vacacional。有給休暇をとる際、有休休暇取得した日の通常の給与に25%をプラスして支給するという福利厚生

 

②     有給休暇の消化可能期間中に退職した場合

連邦労働法の第79条によりますと、有給休暇含め、休暇の買い取りというのはできないとされております。

Artículo 79. Las vacaciones no podrán compensarse con una remuneración.

Si la relación de trabajo termina antes de que se cumpla el año de servicios, el trabajador tendrá derecho a una remuneración proporcionada al tiempo de servicios prestados.

そのため、最も望ましい対応としては、退職日前までに有休を消化し終えるということになります。
しかしながら、業務上、退職日前までに有休消化が難しい場合、有休の買い取りが認められることがございます。実態といたしまして、Tribunales Colegiados de Circuitoという機関が定めた基準には、従業員は有給を付与される権利を有するため、業務上、退職日までに有給消化ができない場合、公平ではないと判断され、有休の買い取りを認める文言が記載されております。

 

関連事項となりますが、退職時の給与の支給金額を誤ってしまうと、後々、退職した従業員より申し出があり、場合によってはトラブルになる可能性がありますので、慎重に対応する必要がございます。
弊社では、退職時の給与計算を行うことも可能となりますので、お気軽にご相談いただけますと幸いです。

 

株式会社東京コンサルティングファーム

メキシコ拠点

田村彩紀

 

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